きっと甘酸っぱい




 とてつもなく自然で当たり前のことだった。
 何一つ意図はなく運命すら関わっていない偶然。
 その瞬間だけは下心も何の思惑もなかったというのに。

「喉、渇きましたね」
「そうか、なら、飲め」

 渡されて、しまった。
 暑い日のことだった。
 たまたま部活のランニングがかちあった、それだけだったはず。
 なんとなく、休憩時間隣にいて(ああ、これは俺がきたんだけど)ツナとかの話で盛り上がった。
 今、手の中にある牛乳も、話の途中何気なく買ったもので。
 そう、あの人も俺も牛乳が好きだった。
 俺も男で、あの人も男で、俺は後輩で、あの人は先輩で、喉が渇いたと言って、ああ、おかしいところなんて何一つない。
 あの人は普通に立ち上がって、もう少し走ってくると告げる。
 俺は「ありがとう」も「俺も行きます」も言えず、手の中の牛乳が温まっていくのを見ていた。





「というわけなのな、ツナ」
「……え、山本、もしかしてその牛乳って」
「そう、昨日もらったもんなんだけど……飲んだ方がいいかな、やっぱ」
「いや、飲むというより……」
「でもな、なぜか飲めないっていうか、妙に気恥ずかしいというか、おかしいことなんて何一つないはずなのに飲めないんだよ」
「いや、待って、山本」
「だめだ、やっぱもう少し置いとく」
「え、山本、それはやめた方が……」
「やー、やっぱツナに話すとすっきりするよな、ありがと」
「違う、山本、待ってその牛乳」



(どう考えてもヨーグルトになってる!)


 間接キスできない山りょ。
 しかし、その牛乳はやばいやばい、その内異臭がするよ!!
 対了だと、山は乙女でいいと思います、真っ白でいいと思います。つい敬語を使ってしまったり、名前じゃなくてあの人って呼べばステキすぎると思います。
 スクだともれなく黒方面で! THE☆略奪愛。
 後、了はノーマルだと思います、というか、愛とか恋とかまだ考えられないといいです。清い人でいてください、できれば一生。
 あっでも、10年後は山本の度重なる天然セクハラに耐えかねてバンバンマキシマム打ってやってくれると嬉しいです。
 山本は10年後は純情だけど色々吹っ切れて天然セクハラになってほしいです。今もだいぶ天然セクハラですが、了だけには乙女で。
 そんな乙女×白でお願いしたいです。こんちくしょう。
 はい、すみませんでしたガクガク。






 おんなのこって、すごい

 おんなのこって、おとこのこもしらないことをしっている。


 珍しく、ツナがいなかった。
 珍しく、獄寺もいなかった。
 珍しく、笹川の友達もいなかった。
 なぜか、俺と笹川が二人でいた。
 正確に言うと、ツナを待っていたんだけど。

「そんときツナがさー」
「え、嘘?」
「ほんとほんと、そうするといつも獄寺がこう、くるのなー」
「そうなんだー」

 何気なく、聞いた。 

「笹川さー」
「ん?」
「シャンプー、なに使ってんの?」

 ツナの話題で盛り上がってた途中。
 見上げてくる笹川を見ながら聞いた。
 それほど近くではないが、離れていない距離。
 ある意味、俺と笹川を表す距離では、シャンプーの香りは微かにも匂わない。
 笹川は、少し考えて、笑う。
 俺はその笑顔に少し見とれながら答えを待った。

「おにいちゃんは、ぜんぶせっけんですよ」

(ああ、女の子って男の子の知らないことを何でこんなに知ってるんだろう)


 間接的に了のシャンプーを探ろうとしたら、思っても見ない答えが返ってきちゃった。
 女の子って不思議ですね(色々おかしい)
 山りょだと、キモイくらい乙女なのが山はいいと思ってしまいました。
 キモ!(ほめ言葉)
 とりあえず、了は牛乳せっけんとか使うといいと思います。まさしく牛乳にs(削除)





 私を空まで連れてって。
   (Fly Me To The sky)
 
「ねえ、先輩知ってますか。
 結構有名な話なんですけどね、たぶん先輩は知らないと思うから言いますけど、昔俺、ここから飛び降りたんです」

 フェンスに手をかけ、呟いた。
 何気ない動きで足をかけ、フェンスの向こう側へと足を下ろす。
 それを彼は止めなかった。
 止めもせずじっと話を聞いている。

「ツナはそんとき、一緒に飛び降りて助けてくれたんです」

 覗きこんだ茶色のグラウンド。
 
「先輩はどうします?」

 俺が今飛び降りたら。
 振り返らずそう聞いた。
 彼がゆっくりと近づいてくる気配。
 フェンスの前で立ち止まる。

「うむ、俺ならその手を掴んで引き上げる」

 振り返る。
 まっすぐな瞳が、そこにあった。

「沢田の瞬発力とスピードは素晴らしいものだが、俺に言わせれば持久力と踏ん張りがなっていない、俺ならばこうやって」

 フェンスを掴んでいた手を握られる。
 心臓が、冷える。すーっと、頭の芯まで、なにかが回った。
 柔らかくも細くもない指だ。硬い節くれだった、それほど長くないけれど、それなりに太い男の指。
 やばい。

(これはやばい、うまく言葉にできないけど、ヤバイ。
 ああ、気づいたらこの人顔近いし、俺、もしかして今変な顔してないか。
 何で俺、こんな話この人にしたんだっけ。思い出せない。
 というか、別に引き上げられるとかそんな話してたわけじゃないんだけど)

「すぐに手を掴み、引き上げれる」

 笑う。
 キレイなわけでもない、かわいいわけでもない、むしろ眩しい。
 ああ、まるで太陽のような笑みだ。

「なんと言っても極限に鍛えた俺と沢田では基礎が違うからな!」
「そうですね」

 熱い手のひらだと思った。
 それよりも、自分の顔が熱すぎる。
 冷えたはずの心臓がうるさいくらい鳴っている。
 そらした先には空の青、吸い込まれそうなくらい晴れた青だった。

 ああこのまま手を引いて、を空まで連れてって。

(貴方という太陽のいる空へ) 




「しかし、ヒモなしバンジーに挑戦するとは中々極限の挑戦だな!!」


 Fly Me To The moonのファンの皆様すみません。
 ちょびっとネガティブな、しかし乙女山本と全然わかってない天然了。
 キモイくらい乙女な山本を書こうと必死です。
 しかし、やりすぎたと反省中、乙女しながらももっと男らしい感じにしたいです、なんだその矛盾。
 とりあえず、ツナは瞬発力とスピードタイプで、了は持久力とパワータイプ、ボクシングやってますし、足腰も強いというのが脳内設定です。
 山本って黒も白も天然も計算も熱血も冷静も鬼畜もいい人も外道も乙女もなんでもやってくれる万能なキャラですよね。汎用性の高いキャラ。
 で、了はほとんどそのま逆で熱血天然バカ固定なのである意味立ち位置を決めやすいです。さすが京子ちゃんのお兄様なだけあって救世主キャラ。
 けれど、考えるとすごいへんな図ですね、今回の話。なんで山と了が二りっきりなんだよ!! 萌え神様の仕業じゃ!(落ち着け






 ひとりじめ

 雨の日が好きです。
 野球はできないけど、濡れるけど、ジメジメしてるけど、好きです。
 あの人を隠して独り占めしてる気分だから。


 山→りょ、本当に落ち着けなポエマー。
 昨日の自分のキモさはやばいです、本当にやばい。
 いやらしいのは私の頭ですすみません。






 夏特有の衝動

 暑い、暑い夏だった。
 見上げることもできないほど太陽は眩しく、グラウンドには陽炎ができていて、吹く風も暑い、じりじり蒸し焼きになりそうだった。
 拭いても拭いても溢れる汗をめんどうだから放っておいた。
 たぶん、温度は37度。人肌よりも暑い。
 だけどきっと、今の俺の体温よりは低いだろう。
 なんたって、俺の隣には太陽がいるんだから。
(あれ、でも太陽に近づくと寒くなるんだっけ、まあいいや)
 俺はただ、あの人の首筋から汗が伝い落ちていくのばかり見ていた気がする。
 なんだかひどく不自然な雰囲気だ。目をそらさないと、でも、そらせない。

「あ、あの」

 なぜか口を開いてしまった。話題なんてないというのに。
 とにかく、暑かった。暑かったからトチ狂ってしまったのかもしれない。

「先輩、あの、俺、あの」

 上手く回らない舌でなにかを言葉にしようと戸惑っていたら、先にあの人がこの暑さの中でもぼやけない声で言った。

「暑いか?」
「え、あ、はい」
「そうか、しかし、俺のように極限に燃える心があればこれしき暑くない!!」

 とかいきなり叫んで日陰から飛び出した。
 あれだけ汗をかいてうずくまっておいて暑くないわけがない。
 大丈夫だろうかとハラハラ見ていたら、あの人の妹が飛び出してきて叱り始めた。
 さすがのあの人も妹にかたなしなのか、日陰に引きずられていく。
 なんだか妙にほっとして息をつく。
 トチ狂ってしまいそうなほど暑い中。

「先輩、あなたが好きです」

 もしも、あのままトチ狂っていたら言ってしまっていた言葉を呟いた。


 告白できない白い山本と空気読めない天然大発進了がいつまでも追いかけっこしててもいいとすら思えてきました。
 もうだめです。





 晴の匂い

「ツナー、今日は妙に元気ないのなー、どうしたんだ?」
「ああ、山本……別にたいしたことじゃないんだけどさー、朝、母さんが勝手に俺の布団干しちゃってさー」
「別にいいじゃねえか」
「よくないよ……そりゃ、布団ふかふかでお日様の匂いとかするのはいいけど、この暑い中にだよ?
 俺の安眠……」
「お日様……」

(山本の脳内 お日様=太陽=晴れ……)

「ツナ、今日お前んち行っていい?」
「ダメ」
「え、なに、ツナ今日暇じゃねえの?」
「暇だけどダメ、なぜか俺のなにかが警報を鳴らしまくってるからダメ、ダメ、絶対、布団は俺が守る」
「ツナ、なんか額に炎の幻覚見えんの俺だけかな」


 山本は、布団に顔を埋めて深呼吸したかったんですよ(最悪だ!)
 白い山本も、変態でもいいと思えてきました(何が起こった)
 ナチュラル変態、本人は意識していないけれど、周囲から見ると明らかに変態。ボクシングしてる了を見て鼻血を出したり、肩組むとき震えがとまらなくておかしいことになっていたりしたら最高です。
 もう、山本は寿司弁当を手作りして了に差し入れしたらいいですよ。キモ!(いい意味で)
 でも、夏場だから気をつけてください。
 納豆入ってないのに糸を引くことになりそうです。
 自分の中で了は晴れというよりも太陽そのものだと思ってます。
 ぎらぎら熱くて皆を見守ってて目立ってかっこいい!
 しかし、友人のアドバイスで、黒い了もステキだねっという気分でもあります。
 いや、しかし、やはり白い天然さんが……!(落ち着け)
 とりあえず、私の山りょはあんまり了が出ませんね。







 恐らく人生最大の勇気

 駆け引きだ。
 そう、駆け引き。
 こういう駆け引きはスポーツのなんにでも似てる。
 野球で言えば、様子見にボール球投げて、ストレート、変化球も織り交ぜて、アウトをとるような。
 ボクシングで言えばジャブを放って怯ませて、会心の一撃を打ち込むのを伺うような。
 そういう駆け引き。
 他愛もない話。
 不自然じゃない距離感。
 じわじわと、物理的にも精神的にも縮めていく。
 不自然に震える声と腕を必死に押さえて余裕のある笑みで。
 あくまで自然に腕が首に触れた。
 髪も服も隔てない素肌が触れ合う。
 それは、少し湿っているような気がした。どっちの汗だかわからない。ただただ触れた場所が熱かった。

「いやー、やっぱり、先輩の話はおもしろいっすねー」
「む、俺は極限に真剣だ!!」
「まったまたー」

 俺 は 今 、 先 輩 と 肩 組 ん で る ! ! 


 純愛青春系を目指してなんだかかなりの玉砕を感じました。
 山本は自然に相手を肩を組める人間だと思います。
 くんでも誰も変に思わないし、本人も結構無意識にやってしまうような。
 しかし、それを意識すると途端にヘタになったらいいなっと妄想しました。山は意識すると妙になにもできず空回ると大変ステキだと思います。
 いつも無意識と勘でなんとかしてるのに、集中すると途端にダメになる感じで。
 この後、山本はりょに
「寒いのか?」
 とか聞かれます。震え全然止まってません。






 嬉しい誤算

「あの、十代目」
「どうしたの?」
「あそこの扉の前で土下座してるの、山本に見えるんですけど」
「山本だよ?」
「なんで土下座してるんですか?」
「嘘、ついてたから」
「なんの?」
「ちょっとヴァリアーの方で仕事があったんだけど、それをあの人に俺と仕事って言っちゃったんだって」
「バレたんですか」
「うん、すぐにバレた。で、怒られちゃったと」
「はあ……それで、俺、土下座よりも気になるんすけど……」
「なにが?」
「めっちゃ、山本嬉しそうなんですけど」
「嬉しいだろうねー、そりゃ、嫉妬してもらったんだから」
「あー……」
「でも、正直お兄さんは自分がなんで怒ってるかわかってないし、あんなに嬉しそうじゃ……しばらく許してもらえないだろうね」

 若きドン・ボンゴレはそれを見ながら、大きく大きく溜息をついた。

「とっととくっついちゃえばいいのに……」


 何年後かで一つ!!
 スクに会うのがちょっと後ろめたくて嘘ついていた山本と、それを知ってなぜ自分が怒ってるかわからず部屋に立てこもるりょ……。
 たまには、山本を報われさせるべきなんじゃ……っというお言葉からかきましたが、全然報われてません。






 ちょっとしたフライングおいた

「10代目」
「なに?」
「山本、顔ヘコんでますけど」
「あー、昨日オイタが過ぎたみたいだよ」
「オイタ?」
「うん、夜になぜか服の乱れたお兄さんが泣きながら飛び込んできたから、たぶん」
「…………」
「山本の顔が存在してるってことは、手加減したみたいだね。お兄さんは相変わらず優しい」
「……そうですね」


 DVからズレた!(ズレすぎです)
 山本がりょにDVするなんて絶対ありえない、ありえない、したら山本を俺が殺す!! という衝動に襲われたので山本に。
 本気でマキシマムを打ったら、きっと顔がなくなるような気がします。
 だって、あの大岩やメタルニーが……。
 皆様、無理矢理はだめですね!!(遊戯王で散々やってるこの口がなにを! なにを!) 
 とりあえず、山本だって男の子、我慢できないときもあるのだと思ってやってください。
 戦闘能力は別として、純粋な腕力なら、りょ>山本だと思ってます。だから、暴れられたら山本はお預けです。
 ガンバレ(ぬるい応援)





 うちの子が一番

 たまにこいつがうらやましくなるけれど。
 やっぱり相手が一番だと思う。

「獄寺、頭の包帯どうしたんだ?」
「てめえこそ、頬のシップが男前だぜ」
「いや、その、ちょっと先輩に……」
「芝生ヘッドに……? あいつが拳出すってことはよっぽどのことやったんだな」
「ん、まあな……、で、お前はやっぱヒバリ?」
「うるさい……見ろ、お前が無駄に話しかけてくるから睨んでる」
「おっ先輩だ、せんぱーい!!」
「無視かよ!!」

「……ハヤト、ちょっとこっちおいで」
「……………………おう」
「なに、彼と親しくしてるの? かみ殺すよ?」
「別に、してねえし……」

「先輩!!」
「ん、山本か。タコヘッドが連れて行かれているが、行かなくていいのか?」
「いいんです!! それより、俺と獄寺が話しててどう思いました?」
「ああ、仲良しだな!! 仲良しなのは極限いいことだ!!」


 嫉妬深い愛してくれる人。
 無頓着な愛しい人。 
 山獄に走らず分岐した私って、本当にマイナー好きだなっと常々思います



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