朝起きたら、アテムが帰ってきていた。
 理由を聞くと、すごくくだらないことで喧嘩して出てきてしまったらしい。
 なんとなく帰りにくくて朝ごはんを食べているらしいけど、僕に言わせれば8割君が(2割はむきになる相手が)悪いから帰って謝ればいいと思う。
 僕も一緒に朝ごはんを食べながら、10日は保った方だと思う。なんたって、最初は毎日帰ってくるのではないかと獏良くんと言い合っていたものだ。 

「とりあえず、一緒に謝ってあげるから行こう」

 ふと、見ると何も言わなくても目玉焼きの白身を食べるようになっていた。
 ちゃんと躾けたんだと思わず感心する。
 前は子犬のような目で僕に白身を食べてと頼んでいたのに。なんだか、少し残念だった。
 でも、成長はいいことだ。
 食べていると、いきなりアテムが立ち上がって、走っていく。
 どうしたんだろうと振返ると、玄関から声が聞き覚えのあるした。
 ちょっと驚いた。
 だって、まさか相手の方からくるとは思わなかったからだ。
 そっと、覗きに行けば、相手は目を逸らして呟いた。

「一緒に 帰るぞ」

 ああ、そうか、もうそこは君たちにとって行く場所じゃなくて帰る場所だったんだね。



 この後、2人はお手手繋いで帰ったら、獏良が待っててバクラ大慌て。
 顔を真っ赤にして弁解しますが、お兄ちゃんははんなりした笑みで受け入れてくれました。
 気まずい一日の始まりです。



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