「おはよう……っていないじゃん」
なんという無用心。
僕は鍵のかかってない扉を開いてあがりこむ。
初めて足を踏み入れた弟とその同居相手の家は随分と簡素だった。
それでも、床に散らばったカードとか、机の上に広げられたカードとか、ソファにばらまかれたカードがこの部屋の住人の生活を如実に表している。
「今日くるって言っといたのに……」
きょろきょろ見回してふと、ゴミ箱に落ちていた紙を見つけた。
[実家に帰らせてもらうぜ]
その文字を見て、全てを悟る。
「ああ、10日も保ったんだ……上出来かな」
カードばっかりやってる二人。
しかし、2人のカード、すごい偏ってそうです。オカルトと闇系ばっかりとか……。
遊戯とかはバランスよく持ってそうなイメージ。
痕、おうちがキレイなのは勿論、バクラが掃除してるからです。