朝目覚めると、王様のベッドの上。
 すっかり慣れたので驚きもない。

「……おうさま、おはよ」

 それでも、しまった、昨日、了に泊まるって電話したかなっと考えて、はたっと気づく。
 もう1週間前から同居しているのに電話なんか必要あるわけがない。
 習慣とは恐ろしいと、起き上がれば、するりとシーツが肌を滑った。
 一部、ひどくベタベタした場所は気持ち悪い。
 今日こそは王様が起きる前に風呂に入ろうとそっとベットを抜け出した。
 王様と風呂に入ると2回洗わなければいけなくなる上に、朝からだるくなって最悪だ。
 朝のリビングは裸では少々寒かったが汚れた服をもう一度着る気も、新しい服を汚す気もなかったのでそのまま脱衣所へ直行。
 うっかり覗き込んでしまった鏡の中で、白い肌に病気のように鬱血の痕が散らばっていて朝から気分は最低まで落ち込んだ。
 どうやって隠そうか考えていると、脱衣所の扉を躊躇いもなく開けて、まだ少しぼーっとしている王様が入ってきた。
 王様は、やっぱり裸で俺様に抱きついた。それだけならまだいいけど、密着したまま俺様の首に吸い付いて盛るからたまらない。

「昨日あんだけヤっただろ!!」
「舐めるだけ」
「それで済んだことあるか?」
「……」

 王様を引き剥がして、風呂に入ろうと背を向ける。
 そうしたら、王様が軽く俺様の髪をつまんで、おもしろそうに呟いた。

「寝癖ついてる」



 何気なく幸せに始まる朝。
 とっても生ぬるくやっていきます。
 ゆるゆる王バク。


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