※遊バクです。
 闇遊戯とかぼかさず、表の遊戯です。
 幸せなパラレルで、らぶらぶです。
 闇バクラ=獏良の弟で、終(シュウ)です。
 管理人の独断と偏見を含みまくってます。










































 するりと上着の裾を持ち上げた。
 白いお腹と、ヘソ、そこから薄い肋骨があって、胸がある。
 裸なんて、着替えのときとかお風呂とかプールで見たことがあるのに。
 でも、違う。
 こうやって、自分の手で持ち上げて、間近で見ると、全然違う。
 服を持ち上げてる自分の手だとか、滑らかで色の薄すぎる肌だとか、ちょっと照れて頬を染めてる顔だとか、澄んだまっすぐな青い瞳だとか。
 そんなものの全部が全部、僕の全身の血を沸騰させて全身に送り出す。
 思わず、動けない。
 瞬きすらしにくくて、それでも、動けなくて。
 まくりあげたまま動けないというのは、とてもマヌケで笑ってしまいそうだけど、僕は真剣だ。
 だって、だって、彼は、びっくりするくらい。動きを止めてしまうくらい。

「ゆーぎ……」

 不安そうなか細い声。
 ちょっと震えてるのが手を伝ってわかる。
 頬が、いっそう赤く染まった。
 眉がたれ、いつも強気な瞳が潤んで見える。
 口が、思わず動く。

「終くん、キレイ」

 すごく、キレイ。
 どっちかというと男に使う言葉じゃないとわかっている。
 わかっているけど、口から出る。
 彼は、キレイだ。
 すごく、キレイだ。
 動きを止めてしまうほど、瞬きが惜しいほど。
 男だけど、そんなの超越して、キレイだと思う。
 彼の兄にも、たまにキレイだと思うときがあるけど、何かが違った。
 ああ、でも、照れすぎて顔を隠してしまった彼はかわいい。耳まで真っ赤だ。

「終くん……?」

 声をかけるけど、そっぽを向いてしまった。
 何も言わない。
 ちょっと怒ってるようにも見えて、僕は慌てた。

「あ、えっと、ごめん」

 謝ると、ちらっと視線を向けてくる。
 なんだか、謝るなと言っているようにも見えた。
 けど、口からはごめんばかりが飛び出る。 

「ごめん、ごめん、終くん、怒った? ごめん、謝るから」

 顔見せて。
 顔を隠そうとする手を片手で掴む。
 本気で抵抗されたら、僕と彼の力の差では、なにもできない。
 でも、彼は腕を素直にどけた。
 色素の薄い顔では、真っ赤になると本当に鮮やかだ。

「キスしても、いい?」

 なんだか、たまらなくて聞いてしまう。
 口に出してみると妙に間抜けな気がした。
 おかしい、彼に言われたときはびっくりするくらいドキドキしてかわいいのに。

「……だめ、」

 彼は、僕の言葉にちょっと驚いたみたいだったけど、首を振る。
 えっと、口に出す前に、いきなり首に腕を回された。
 一瞬、絞められるのかと思ったけど違う。
 噛み付くみたいにキスされた。というよりも、実際に甘噛みだけど、ちょっと噛まれた。

「俺様がする」

 キスの合間につぶやかれ、脳を貫かれる。
 唇を割って、薄い舌を絡めた。
 だいたい、背の高い彼の方が上になってるから、自分が上からしてることに気づいてなんだか嬉しくなってきた。
 場違いだなっと思いながら、舌を舐めあう。
 ぴりぴりと首の後ろに痺れが走って気持ちいい。
 このままずっと、口がふやけるまでして、寝てしまいたいくらい。
 でも、きっと寝たら怒るだろうなっと思ってふと、彼の服を胸までまくりあげていることを思い出した。
 ちょっとだけ、撫でる。
 ひくっと、体が跳ねた。
 唇を離して見下ろすと、恥ずかしいのか目をそらされた。
 いつも強気なのに、すごいことを口にしても平然としてるのに、照れてる。
 こういう仕草はすごくかわいい。
 思わず見入っていると、怒ったように唇を尖らせる。

「あんま、見るな」
「う、うん」

 慌てて目をそらす。
 これ以上怒らせると、彼はなにをするかわからないからだ。
 白い肌をなぞる。
 さらっとした手触りが気持ちいい。
 指の動きに合わせて、彼は体を震わせ、目を細めたり、ぎゅっとつぶったりする。
 なんだか、変な気分になってきた。
 彼の荒く吐き出される息が耳につく。
 思わず、肌に舌を這わせた。

「ひぁ」

 色っぽい声だなって思った。
 彼の腹の上から見上げると、口を抑えて真っ赤になっている。
 いきなり指から舌に変えたせいか、出てしまったらしい。
 どうしよう、なんか止まらない。
 舌の動きを続行する。
 人の肌って、おもしろい舌触り。
 ゆるゆるとみぞおちから、上へ、または舌へと這わせた。 
 びくびくと、口を抑えたまま、彼の体が何度も電気でも流れたかのように跳ね続ける。
(声、聞きたいな)
 さっきみたいな声が、聞きたい。
 ずるっと、黒い欲望がわきあがる。
 僕はわざと彼が一番反応した場所を何度も何度も往復した。
 丸く、円を描くように舌先でくすぐってみたり、わざとそこを避けてみたり、ちょっとづつ角度を変えて。
 どんどん、感覚に集中していくのか、抑える手から力が緩んでいく。

「ふぁ、ひゃあ……ぁ」

 そして、唇から漏れる声。
 こういう気持ちを、なんていうんだろう。
 少し、強めに吸ってみた。
 すると、白い肌には割合簡単に赤い痕ができる。
 でも、すぐに消えた。キスマークって、マンガほどあっさりつかないらしい。
 残念だなっと思いながら、今度はへその辺りまで顔を下ろす。

「ん、ぁ、ぁ、ぁ……」

 声が響く。
 声以外は僕が舌を這わす音だけで、それがたまらなくいやらしい。
 体の位置を変えるために手をつく。
 ふと、触った場所がちょっと固かった。
 同じ男だからわかる。
 色々考えたけど、ああ、ちゃんと感じてるんだって安心が先に出た。
 ズボンごしに、ちょっとこする。

「ゃ、ぅあ……!」

 肌を舐めたときも思ったけど、彼は敏感だ。
 少しこすっただけで、どんどん硬くなっていく。
 声も比例して大きくなってきた。
 抵抗は、ない。
 ちょっとくらい暴れるかなっと思ったけど、見上げた彼は潤んだ瞳で僕を見ていた。
 真っ赤な顔で、ほとんど意味もないのに口に手をあてている。
 なぜだか、食べられるのを待ってる獲物みたいだって思ってしまった。
 手でこすりながら舐めると、反応が強くなる。声が、甘く感じた。
 目尻に涙が溜まり、汗で少し味が変わる。

「ゆ、ぅぁ、ぎぃ……」

 どきっと、した。
 掠れるような甘い声。

「も、も……」

 小さな子どもみたいに震えて。
 途切れ途切れに言葉を紡ぐ。



「もっと、ちゃん、と、触って……」



 彼の腰が、揺れる。
 僕の手に押し付けるみたいに。
 心臓が、ぎゅうっと締め付けられた。
 キレイ、かわいい、色っぽい、愛しい。
 そんな感情が入り混じってたまらない。
 思わず、彼を抱きしめる。
 僕よりも背が高いけど、同じくらい細い体。涙が零れた目尻を袖で拭って、小さくキスする。
 そうすると、彼も僕にキスをした。
 しばらく触れるだけのキスを送りあい、唇に口付ける。
 ゆっくり、舌を絡めあって、一度離したけど、離れがたくてもう一度。

「はぁ……」

 お互い同時に吐息を漏らす。

「あのね、終くん」

 おでこをこつっと、合わせて、呟く。
 実を言うと、彼も口にしてしまうくらい限界だけど、僕も限界だった。
 だって、あんな彼を見て、こんなキスしたら、限界だ。
 僕だって、健全な男子高校生なのだから。

「僕のも、触ってくれる?」

 彼は、僕の目を見て、そして、反らした。
 小さく頷くのが、おでこから伝わる。
 僕が彼のズボンを脱がすと、彼も僕のズボンを脱がした。
 他人のソレをまじまじと見るなんて従兄弟のをのければ初めてだ。
 しかも、触るなんて、今まで考えたこともなかったな。
 そんなことを考えながら、手を伸ばす。
 お互い手つきが恐る恐るで、最初はぎこちなかったけど、そこは男同士というべきか、次第に慣れてきた。
 ぐちゃぐちゃと少しづつ水音が立ち始め、荒い息が聞こえる。
 手が、気持ちいい。
 細くて、きれいな白い指が、僕のを触ってる。
 そして、僕の手が、彼のに触ってる。
 近すぎて、自分の息なのか、それとも彼の息なのかわからない。
 顔を近づけていたら、キスしたくなって、聞かずにした。聞かずにするなんて初めてかもしれない。
 ちょっと息が苦しいけど、彼も答えて舌を絡める。
 間近で目が合って、ちょっと笑った。
 
「はぁん、ぁ、ふぁ……」

 この声を漏らしてるのはどっちだろう。
 もっと体を寄せて、手の動きを早くした。
 そしたら、彼の手の動きも早くなる。
 なんだか、ぐちゃぐちゃだ。
 でも、そのぐちゃぐちゃがいい。
 唇が離れても、舌を絡めあった。
 びくびくと手の中で震える。 
 僕もたぶん同じ状態だ。 

「ゆ、ぎ、ゆうぎ、ゆぎ、ゆーぎ……」

 彼の口から、ずっと僕の名前ばっかり零れる。
 もっと体を近づけて、ソレを手と一緒に重ねた。
 一緒に握りこんで、一緒にこする。
 どろどろだ。
 頭は真っ白で、手を動かしたり、舌を動かすことしか考えられなかった。
 彼の目から、涙がぽろぽろ流れてるのに、拭ってもあげられない。
 このまま溶けてしまうかもしれない。

「ゆうぎぃ……」
「しゅ、うくん……」

 それも、いいなあ。





 



「つかれた」

 終わったら、彼は、そう言って僕を抱きしめて寝てしまった。
 僕も疲れてたけど、それよりも片付けとか、服とかのことを考えてしまう。
 でも、彼が抱きしめているせいで動けない。
 とりあえず、体勢を変えて彼の顔を見た。
 顔には、涙の痕と、まだちょっと紅潮して残った熱が見える。 
 それが、なんだかかわいくて、行為を思い出させて。

「もういいか」

 寝てしまった。
 従兄弟がもうすぐ帰ってくることも忘れて。



 ただいちゃいちゃえろえろしたかっただけな遊バク。
 たまにはこんな素直で成すがままのバクラもステキですよね。
 バクラは、某三男も言ってたけど、加虐心を煽るため、AIBOも思わずぞくぞくしました。
 そして、帰ってきた従兄弟は愕然として、やるせなくて泣きながらどこか遠くへ走り出すことでしょう。
 三作目でもうエロ……。


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