※バクラがインキュバスで王様を襲ってます。
 にょたです。
 いつもならが、返り討ちにあってます。












































 もしも、この街で夜に少しだけ空を見上げてみれば、その存在に気づいたかもしれない。
 ビルの屋上、危険防止用のフェンスの向こう側、そこに、ソレはいた。
 ソレは、少女の、それも人で言えば華奢で美しい姿をしていた。
 繊細で柔らかそうな白い髪に、月明かりに青白いまでも滑らかな肌。鋭いが静かな美しい青い瞳があり、その下には形よい鼻と何もつけていないというのに赤い唇がある。それがバランスよく配置されているだけで美少女と呼んでもまったく過言ではない。
 だが、ソレは決してただの少女ではなかった。
 なぜなら、その愛らしい顔の下、華奢な首を降りたところには、大気に晒されたくっきりとした鎖骨と、小さいが柔らかな胸元が完全にさらされ、しかもまとっている漆黒のコートから伸びた足ははどれだけ短いスカートでもありえないきわどいところまでまるみえだった。
 そう、ソレは漆黒のコートを直接素肌にまとっているのだ。
 その下には、シャツどころか下着ですらまとわれていない。
 もしも、ソレを近くで見ているものがいれば、そのどちらかといえば異常な姿よりも、肌の滑らかさに、甘味さえ感じられそうな柔らかなラインに、そして、少年のように見えるというのに、どんな美女も敵わないような蟲惑的な艶かしさに激しい衝動を覚えるだろう。
 少女を押し倒し、蹂躙したい、そんなどうしようもなく本能的な要求をどこか少女は突き上げさせる。
 ソレは、一歩踏み出せば、暗い闇に落ちていく、地面へと叩きつけらるだろう位置でじっと下を見続けていた。
 まるで、何かを探すように、確かめるように。
 そして、ふっと、その薄い唇を吊り上げた。

「見つけた」

 少女が、すっと、コートの前を更に広げた。
 風邪にあおられ垣間見えるだけだった突起と、滑らかな肩が完全にあらわになる。
 一際、強く風邪が吹き抜けた。
 コートの裾が激しく翻ると同時に少女の背中が盛り上がった。
 メキメキと、人間の骨格を無視して、そこから骨が飛び出す。否、それは黒い骨に似たものだった。
 コートの布地を破らず、まるでコートからはえたかのように骨に似たなにかは軋みながら伸びていく。
 それがある程度まで伸びた時、少女はちろりと唇を舐める。

「久々だし、たっぷり食わせてもらうぜ」

 そして、足を踏み出した。
 落ちる。
 そう思った瞬間、背中から突き出した骨のようなものが広がった。

 翼。

 鳥やのものとは違う、蝙蝠のような薄い膜が骨組みに広がり一つ、はばたく。
 それだけで、ソレは風を支配した。
 木の葉のようにその体を舞い上げて、月に微笑む。
 もしも、この街で夜に少しだけ空を見上げてみれば、その存在に気づいたかもしれない。
 月を背景に、四肢を泳がせるその姿が。
 しかし、そんなものはおらず、ただソレは夜を行く。

 



 そこは、何の変哲もないマンションの一室。
 ベッドに一人の少年がよこたわり、寝息をたてている。
 寝室なのか、ベッド以外は簡素な棚のようなものしかない。
 その窓に、白い手が現れた。
 少女のような、細く、けれど柔らかそうな手だ。窓から差し込む月明かりに照らされ、病的なまでに青白い。
 それは、少しづつ部屋に侵入していく。
 手の次は、華奢な肩。すぐに愛らしい顔が、黒いコートをまとった上半身がくねるように現れたかと思えば、コートから伸びた足がするっと虚空に降り立った。
 まるで、体重を感じさせない動きで、そのままベッドに降り立った。
 物音一つさせないソレに気づかず眠り続ける少年の顔を覗き込む。

「悪く、ねえな……」

 にっと、ソレは笑った。
 そして、少年の頬を撫でる。すっと、最初は小さく、少しづつ、くすぐるように手を下ろしていく。

「久々の食事だし……精々、いい夢見せてやるぜ」

 頬から、首へ、首から、胸元へ。まるで、男を煽るような、昂ぶらせるような妖しい指使い。
 そこまでくると、ソレは少年の体の上に座った。
 少し体をずらすと、胸元に這わせた手をゆるゆると下に下ろす。
 その手が足の間に触れた時、笑みが強くなった。
 興奮しているのか、白い肌に少しだけ赤みがさし、手が形を確かめるように布越しに握り、指でさする。
 すると、そこはすぐに硬くなり、布を持ち上げた。

「顔の割りに……」

 嬉しそうに、ソレは呟く。
 そして、我慢できないとばかりに性急な手つきでズボンの前を開く。
 下着越し、更に大きさと熱さがありありと伝わる部分を、握り締めた。躊躇うことなく大胆に何度もこすり、湿り気を帯びたところで下着もずらす。
 少年の呼吸が荒くなる。それに合わせるようにソレも手の速さや握り方を変え、扱きあげる。
 現れたモノは、少年のどちらかといえば可愛いの部類に入る顔とは、不釣合いの大きさと凶悪さを持っていた。
 けれど、ソレは一瞬の躊躇いもなく、今度は直接握ると、小さい唇を最大限に開き、咥え込む。
 柔らかくぬるい口内がねっとりとモノを受け入れた。

「んん……っ」

 舌で先端からくびれ、竿までの形を確かめながらちゅっと、音をたてて吸い、喉の奥まで飲み込む。
 それでも、半分ほどしか飲み込めず、少女は指で自分の唾液に濡れた部分をこすった。
 しばらく、口の中に含み味わうように激しくモノを舐め、吸い、自分の唾液とともに溢れる液体を飲み干す。とろりと、目が細まった。
 ふるふると体が震え、悦びに笑みが歪む。
 そして、ひとしきり味わった後、まるで貪るようにソレは首を動かし、更に喉奥に突きこんだかと思えば一気に首を引く。角度を変え、頬肉にこすりつけ、喉で締め搾り取るように激しく吸った。
 卑猥な水音が部屋に響き、眠ったままの少年の口から快楽の呻き声が漏れる。

「ん、ぐ……ふっ……ん……」

 ソレもまた、苦しさの中に楽しげな声を混じらせる。
 口の中が熱い。独特の味が口の中に広がった。
 絶頂の予感にソレは更に激しく首を振る。
 微かな味と粘り気に、喉を動かした。
 
(はやく)

 ソレは思う。
 もう我慢できないのだと。
 微かに腰を揺らしながら、もじもじと物欲しそうな顔で見つめている。

(も、お腹減った……)

 一際強く吸い、喉の奥に突きこんだ。
 かりりと短時間で見つけたよい場所に歯がかする。
 その瞬間、少年は荒い息とともに声を漏らし、達した。
 ソレの喉にどくりっと、白い飛沫が注ぎ込まれ、せきこみそうになる。
 しかし、ソレは決してモノから口を離さず、飲み込んだ。
 こくりっと、喉が動く。
 思ったよりも量が多く一息では飲み干せず、唇から少し溢れたが、それでもソレは舌で少し転がすと二回に分けて飲み干した。
 それだけではなく、先端に残った分も吸出し、唇から漏れた分も勿体ないと必死に空腹の子猫のように舐める。 
 全てを舐め終わった後も名残惜しげにぴちゃぴちゃ舐め、やっと顔をあげた。
 至福、そんな一言につきる笑み。自分で自分を抱きしめ、ぶるりっと、震えた。ぞくぞくと満たされた喜びがソレを支配する。

(これが、欲しかった)

 その表情はひどく淫猥で、少女の愛らしい顔とは不釣合いでありながら、そのちぐはぐさが、ソレのいやらしさを助長する。
 しかし、そうしているのもつかの間、また、ソレは、いまだ勃ちあがったままのモノに目を落とす。
 もぞっと、体が疼きを感じた。

「久々の食事だし……がっついても、しかたねえよな」

 少女は膝で立つと、コートの裾を持ち上げる。
 夜風に煽られたときですら見えなかったソレの足の間があらわになる。
 そこには、汗と、それ以外の液体が伝い、十分濡れているように見えた。ソレは、少し考えるように動かなかったが、もぞもぞと膝で移動する。

「さっきは言い忘れたけど」

 にっと、まるでイタズラっこのように笑う。

「いただきます」

 腰を落とす。
 その下には、すぐ少年のモノがあり、ソレはそこに熱く湿った場所をあてがう。

「あ、ぁぁぁぁ……v」

 足から力を抜けばソレの体に、熱いモノがゆっくりと入り込む。
 表情が、今までにないほど悦びに歪んだ。
 甘い、甘い声。嬉しくて嬉しくてたまらないという感情を一切隠さない。
 動かずともソレの体重によって奥へ奥へと中を広げながら突き進む。
 粘膜同士がこすれあい、強い快楽が全身を駆け巡る。

「すっすごひいいいぃぃ、あう、い、いいいぁぃっ!! 」

 がくがくとソレは体を震わせ、全てを自分の中に埋め込んだ。
 しばらく、少年の上でもがくように体をよじらせ、シーツを握り、頭を振った。ビリビリと痺れるような感覚にたまらないと無意識に腰が揺れる。その感触にまた感じながら笑った。

「はっは、はは、すご、いぃ……きもち、い……うっおいし……おいしい……っ」

 呼吸がうまくできるのか、声をかすらせながらも口から零れる言葉が止まらない。
 どくどくと内部に心臓があるような錯覚。
 熱くて狂ってしまったのかとすら勘違いしそうだった。
 足の間とモノに溢れた蜜が伝いびしょびしょに汚していく。

「あっああ、もっと……もっとぉ……」

 次第に呼吸を整え、落ち着ける。
 くらくらする頭を抑えて、足に力をいれた。
 ずっと、内部が引きずられる。

「ひゃぁぁん……」

 ゆっくり、立ち上がり、また座る。

「あああぁぁぁっ!! ん……ぃぃ……」

 きついが滑りのよいそこは、別の生き物のように蠢き、モノを締め上げた。
 腰の動きは次第に速くなり、ソレは少年の上でもだえながら喘ぎ声を隠すことなく上げ続ける。
 その様は、浅ましいながらもどこか美しい。紙一重、否、表裏一体のなにかがそこにあった。
 ぐちゃぐちゃと水音が響く。

「……?」

 だが、ソレは違和感を覚えて不意に動きを止めた。
 今まで感じたことのない違和感。
 繋がったまま、見下ろした先、少年が居る。
 ただし、その少年の瞳は開き、ソレを見ていた。
 目が、合う。
 驚いたように硬直する少年は、しばらくソレと見つめあい、やっと口を開いた。
 だが、声が出ない。

「へえ……あいつに聞いたことはあったけど……マジで途中で起きれるやついるんだな」

 ソレは、笑う。

「ま、起きたのもなにかの縁だ……覚醒状態で人には味わえない快楽、教えてやるぜ」

 また、動きが再開される。
 それは、強い快楽。
 頭の芯が痺れるような、搾り取るような動きだった。
 ソレは、少年の顔が歪むのを見つめ、楽しそうに唇を吊り上げる。

「ふっあ、はっはは……どうよ、気分はぁ……最高か……?」
「くっ……」

 戸惑いながらも、少年は顔を歪め、その快楽に溺れそうになりながらも流されないように耐える。
 ただ、目の前のことをなんとか理解しようとしているように見えるが、到底理解できない。
 一番安易な答えは、夢だと思うことだろう。
 誰が、思うだろうか。
 目覚めたら、コートだけをまとった少女が自分を犯しているなどと。
 けれど、少年は夢だとは思えなかった。
 なにかが、夢とは違う。

「はっはああ、あ、ん……ぁ……」  

 ソレは、少年をからかうことに飽きたのか、行為に没頭し始める。
 水音をたてて腰を動かし、嬉しそうに目を細めた。
 そんな姿を少年は見続け、そして、一つの結論に達する。

(まあ、いいか)

 それは、諦めという名の結論。つまるところ、少年は開き直ってしまったのだ。
 考えてもわからないことは、しかたがない。

(それよりも、)

 少年の腕が急に動いた。
 ぎょっとソレは目を見開いて驚く。
 まさか、起きるだけではなく動くことなど、聞いたこともない。思わず動きを止めた。
 その瞬間に少年はソレの無防備な足を掴み、持ち上げる。
 勿論、ソレの体は後ろにひっくり返った。
 それを追うように少年も体を持ち上げる。

「確かに、気持ちいいぜ……」
「ひっ!」

 ソレの顔に恐怖が走った。 
 今まで、ソレの経験の中に動く事はおろか、起きたものすらいない。
 どうしていいかおろおろしている間に、少年は腰を引いた。

「でも、俺は攻められるより、攻めるのが好きなんだぜ!」
「し、しるひゃあああぁ!!」

 ずんっと激しく突きたてられる。
 自分でするのと違い、相手がどう動きどこを抉られるのかわからない。
 基本的に、ソレにとってこのような行為は一方的に自身が搾取する行為である。
 初めての経験に戸惑うばかりでうまく思考が働かなかった。
 そうしている内に激しく内部をかき回される。

「ふぁあああ!! やっや、なにこ、れ!! しらな……ひいっ!!」

 確かに、快楽は感じる。
 しかし、それよりも恐怖が強かった。
 今にも泣きそうな顔で、ソレは叫ぶ。

「うぁ!! ひっぐ!! ぅぁあ!! やめえぇえ!!」
「何言ってるんだ……お前から仕掛けてきたんだろ?」
「そ、だけえどぉ!! あんぁぁぁ!!」

 足を抑えられ、自分でするときとは違う衝撃が腹の奥に響いた。
 突き上げられる度に体が言う事がきかなくなっていく。

「こっこわぃぃ!! やっやめ、なにか、へんんっ!!」 
「そうか? お前の中はちゃんと気持ちいいって締め付けてるぜ?」
「ふっぐううう……ひやぁぁぁぁ!!」

 なんとか足で少年を蹴り飛ばそうとするが、うまくいかない。
 どころか、そのままの勢いで体勢を変えられ、更に深く激しく腰を打ち付けられる。

「てってめ、あう、あ!! おれさ、まがあ!! なにか、しっし、してて、やってんのかぁあ!!」

 涙でぐちゃぐちゃになった顔で睨みつけても、少年は笑うだけ。
 完全な形勢逆転だった。

「ああ、そういえば、お前はなんなんだ?」

 腰の動きは止めず、少年が問う。

「ひっぅっ!! さっさいしょに!! そっそぇ、きけぇ……!!」
「いや、別に俺は聞かなくてもいいんだぜ?」
「ふぁん!! ん、だとおお!!」
「まあいいか、聞いてやる。お前はなんだ」
「い、いんきゅ、ばす!」
「いいん……?」
「ちがっ!! もっうごくなぁ!!」
「それは無理な相談だぜ」

 なら、一度出すまでいいかっと、少年はぐいっと更にソレの足を開き、強く穿つ。

「あぅあああああ!! こわれ、こわれぅうう!!」

 どくりっと、内部に少年は欲望を吐き出す。
 それはソレの中で跳ね回り中に満ちて更には結合部から溢れ出した。

「うぁぁぁあん!! ひゃああああああっ!!」

 ソレの体が一際強く反り返り、恐怖に引きつった顔に、微かな笑みが浮かぶ。
 少年はまだソレの中に自分を残したままで一息ついた。
 まだ中はぎゅうぎゅうと締め付けて離さない。
 それは、しばらくぐったりというよりもうっとりとベッドに身を任せていたが、少年の呼吸が整う頃には、正気に戻って起き上がる。

「ちっちくしょう!! にっ人間のくせにインキュバスになにしっや、ん、がる!!」

 叫ぶと、ぎゅうっと中が締まり、少年は微かに顔を歪める。

「インキュバス?」

 聞きなれない単語だった。
 首をかしげると、ソレ、インキュバスは憎憎しげに少年を睨みつける。

「夢魔とも言うけどよ……」
「お前、人間じゃないのか?」

 いまいち信じられないという目を向けると、インキュバスはますます苛立った視線を向けた。

「人間なんぞと一緒にすんな!! 俺様たちの方が何十倍も生きるし、賢、ひっ!!」
「でも、夢魔っていうのは確か、人間に悪夢を見せるやつだっただろ……?」
「そういうやつも……ん……いるけど、俺様たちは……いい夢見せて気持ちよくしてやって……精気……食うんだよ」
「精気?」
「はぁ……あんたが、今、注いだやつとか……そういうのが、簡単に言うと、俺様たちの、食事」
「なるほど、寝こみを襲ってこういうことをやるのか……」
「そっうだよ……つーか、抜け!! ひっいつまで、いれ、てんだ……」

 少年はジロジロとインキュバスを見た。
 裸コートという姿と、かなりの美少女だという事以外は、人間にしか見えない。
 少年の視線が疑いのものだと気づいたのだろう、インキュバスはむっと唇を尖らせる。

「じゃあ、人間にないの、見せてやる!!」

 インキュバスの背中が、盛り上がる。
 少年が驚きに目を見開き、動けないで居るうちに、蝙蝠の羽に似た翼が広がった。

「これでも、ぁ……疑うか……?」

 信じられず、少年は翼に手を伸ばす。
 指先が翼に触れたびくっと、インキュバスの体が跳ね、中が締まった。

「なっ!! いきなり触るんじゃねえ!!」

 さっと翼をしまったインキュバスは、足で少年を軽く蹴りつける。

「わかっただろ……もう俺様食事は終わったから、かえ……」
「そっちは終わっただろうが、俺はまだ満足してないぜ」
「は? ひゃ!? んんんァ!」

 ぐるっと、インキュバスの体が繋がったまま回される。
 顔をシーツに押し付けられ、少年はインキュバスの背中、ちょうど翼が生えていた辺りを見下ろす。
 そこには、もう羽はなく、ただ白い華奢な背中があるだけ。
 そのラインを、つつっと撫でる。

「ぁ!」
「まあ、正体がわかったことだし……散々さっきは楽しんでくれたお礼に、今度は俺がご馳走してやるぜ」
「なっなにいってやが……」
「大丈夫、たっぷり気持ちよくしてやるから」

 少年は言い終わる前に腰を動かした。
 激しく揺さぶり、インキュバスが何を叫ぼうと攻め続ける。

「やっ……だぁっ!」

 叫ぼうとしても、頭をシーツに抑え付けられ声もうまくだせない。
 中から注がれた白い液体があわ立ち、足を伝って漏れていく。

(もったいねえ!!)

 せっかく手に入れた食事をかきだされ、潤滑油代わりに攻め立てられる。
 しかし、そんな思考も快楽の前に流されかけていた。
 白い波が、頭の中を打ち寄せては何もかもをさらっていく。
 絶頂の気配が、インキュバスの体を駆け巡った。 

「ひっ……めぇ……ぁ、うぐ……ぃぅ……ぃうぅ……」

 どうにか抵抗しようとするがそれは腰を振り少年を受け入れることにしかならない。

(やばい、いく、いく、いく、やだ、いく)

 シーツを噛み締め、インキュバスは屈辱に震えた。
 勿論、インキュバスは攻められることも初めてならば、こうしていかされてるのも初めてだった。
 嫌だっと心の中で何度叫んでも、止められはしない。
 ただ、絶頂の気配に怯えるしかないのだ。
 浅く、速く少年がインキュバスの一点を突き上げる。

「――――っ!!」

 ばさりっと、少年の目の前にいきなり翼が出現した。
 それとほぼ同時に、中が激しく締め付けられ、インキュバスの体がびっくbbっと激しく跳ねる。

「いったのか……?」 

 問えば、インキュバスは答えなかった。
 ただ、呆然と顔をシーツに埋めている。
 目の前で、翼がふるりふるりとか細く震えていた。

「っ!」

 少年は、翼を握る。
 その瞬間、インキュバスは勢いよく体を反らした。
 声は無かったが、体が翼に触れるとどうなるか少年に伝える。
 だから、少年は翼を握る手に力を込めた。

「ここ、弱いのか?」
「っ……!! さっさわんなあああ!!」
「なるほど、弱いのか」

 べろりと、少年は楽しそうに翼の付け根を舐めた。
 インキュバスの体がまた跳ねる。
 少し刺激が強すぎたのか、口をぱくぱくと開け閉めし、苦しんでいるようにも見えた。
 だが、少年は翼をいじることはやめない。どころか、腰の動きに連動するように翼を弄び始める。

「ひゃぁめえええっぁぁぁぁぁぇぇぇぇ!!」
「締め付け、すごくなったぜ?」

 いくら叫んでも、泣いても、少年は攻め続けた。
 インキュバスは泣きながら、ついに自分が何を言っているかわからなくなっているのだろう、言葉にならない言葉を吐き出し続ける。
 もう、何度中に出されたかわからない。
 シーツもインキュバスの体も真っ白に汚れ、涙すら枯れはてかけていた。


「もっもう、なっなんでもします!! しますからああ!! 許してえ!!」


 なんでも。
 少年はその言葉に少し考えて、一気に最奥を突いた。 
 悲鳴。
 同時に中にまた白い液体が注がれる。

「ふぁ……ゆるし……こわれ……もう、なんでも、いうこ、と……きくかぁ……」
「嘘じゃないな?」

 少年が聞く。
 インキュバスは、緩慢な動きで何度も首を縦に振った。

「ふーん……じゃあ、まず、名前でも教えてもらおうか?」
「な、まえ……?」
「ないのか……?」
「あ、る……」
「名前は?」
「バクラ……」
「バクラ……そうか、バクラか」

 少年は、微笑んでその額に口付ける。

「俺はアテム……これから、お前のご主人様だぜ?」
「ごしゅじ……?」 
「俺のいう事、なんでもきくんだろ?」

 ぐいっと、中にまだ入ったまま腰を動かす。

「ひぃ!! きく!! ききます!!」
「よし、よろしくな」

 ずるりと引き抜いたとき、少年はふと気づく。





「ああ、朝か……」





 全ては夢ではなかった。
 今、少年の下にはただ一人、気絶したインキュバスが寝ている。










 後日談

「言っとくけど!! 俺様男だからな!!
 昨日は女の格好してやってたけど!! 男だからな!!」
「大丈夫」

 いつの間にか少女から、少年の姿になっていたインキュバスに、少年は笑った。



「俺は、どっちもいける」






 ついにやったインキュバスパロ。
 後半エロに疲れたことが丸見えです。
 いや、でも、色々楽しかったです。
 惜しむらくはもっと翼とか角をいじれなかったこと、というか、角だせませんでしたね。  出せませんでしたが、このバクラには角と翼がある設定です。後、性別をどっちにも自由に出来る。
 つっつぎがあればリベンジ!

 ちなみに、インキュバスは本来は男の夢魔(女はサキュバス)で、人間にエロい夢を見せて性をとる、あるいは植えつけて子どもを産ませる(とされている)魔物です。
 でも、一説には女も男もあんまり関係ないというのもありまして、こちらのバクラにはそれを参考にしています。
 こちらでは、食事のために性をいただいている設定で、もう、エロいことにかけては本職。
 しかし、まさか王様にひっかかるなんて……。不憫……。
 裸コーツは管理人の趣味&やりやすいようにです。もっときわどい服でもよかったんですが……ぶっちゃけていうと、描写の限界が……。
 とりあえず、バイの王様ひどい><



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