うつむいて唇を噛み締め、自らの服をぎゅっと握ったまま黙り込んでしまった少年に、男は、にっこりと笑った。
「バクラ、もしも小テストで70点切ったらどうするって言った?」
それは、少年を安心させる笑みではなく、むしろ怯えさせる。
「………」
「お前が言ったんだぜ、覚えてないのか?」
「………………解答欄……一つズレてたんだ……」
「バクラ、俺は聞きたいのは言い訳じゃないぜ。
確かに、採点してみたけど、解答欄が一つづつズレてなければ98点、で、実際は?」
「59点…………」
「そう、お前はケアレスミスさえなければもっと点数が取れるんだ。
でも、ついつい直せない……直せないならどうすればいい?」
「知らね……」
すっと、少年に男の手が伸びた。
少年の体がびくっと跳ね、頬に触れられた瞬間、かぁっとほんのり朱に染まる。
これから何をされるかわかっている、そんな表情だった。
男はくすっと小さく笑うと、耳元で囁く。
「体で、覚えるしかないよな」
頬を何度も撫で、首に伸ばす。
少年は手の動きにむず痒そうに顔を歪めた。
「それで、お前はなんて言った……?」
するすると首や肩を撫でながら問う。
ぐっと、拳を震えるほど握り締めた少年は、後悔した。
いくらのせられたからと言って不用意に弱味を作ってしまうなんて。確かに自信はあったし、実際はミスがなければ何のことはない約束だった。
自分の性格を恨みつつ、男の顔をうかがう。
男は、笑って待っていた。少年が、自ら口を開くのを、黙って。
「な、なんでも……」
視線をそらしながら口を開く。
悔しくて、悔しくてたまらないとでも言うように。
「なんでも?」
「なんでも、する……って、言った」
「よくできました」
男は少年の頬に口付けると、震える少年をなだめるように肩に手を置く。
しかし、強張った少年の体はゆるむことなくますます強張った。
何をされるか、怖くて仕方ないという反応に、男は嗜虐的な笑みを浮かべる。
しかし、いじめすぎるのもなんだと手を引いた。
「まあ、なんだ」
そして、何度か頷くと呟いた。
「似合ってるぜ、そのネコミミ☆」
「このド変態ぃぃぃぃぃ!!」
少年の怒声が響く。
それを男は軽く肩をすくめて流すと改めて少年を見直す。
その少々珍しい白髪の上にちょこんっと乗っているのは俗に言うネコミミだった。
カチューシャにつけられたネコの耳を模した二つの三角。それは、つけるものがつければただ笑いを生み出すモノでしかない。だが、つけるものがつければひどく愛らしい魅力を輝かせる一品。
そして、少年は、まさにつけるべくして選ばれたようにしか見えなかった。
くせっけの入った柔らかな髪、鋭いながらも子ども特有の大きな瞳、小柄で華奢だがしなやかな体、生来のきまぐれそうな雰囲気、現在の拗ねたような表情、どれをとっても最高といわざるを得ない。
男は自分の予想以上の出来にひどく満足そうだった。
「ちくしょう!!」
「お前がなんでもするって言ったんだぜ?」
「なんでネコミミなんだよ!!」
「似合うから」
「変態!! あんた前のスカートといい妙な服といい、そんなにコスプレが好きか!!」
「別にコスプレが好きなわけじゃないぜ、コスプレをしているお前が好きなだけだ」
お前じゃなければ意味が無い。
そう、コスプレがメインでなければ殺し文句になっただろう言葉をさらりと呟く。
一瞬、少年も言葉に騙されかけるが、ぐっと持ち直した。
「つまり……コスプレが好きなんだろ!! 変態!! 変態!!」
睨み付けて叫ぶが、その様がますますネコミミとあいまって猫のようで愛らしい。
男はクスクス笑いながら、わざと低い声音で囁いた。
「ネコミミくらいで変態扱いされたくないぜ」
はそういいながら、足元のカバンに手をいれる。
少年の短いながらも濃い経験が、警戒音を連打。
やばい、逃げなくては、そう思って立ち上がる。
ビタン。
が、服を掴れてこける。
文句を言うより速く、男は少年を押さえつけ、笑った。
「これからだからな……」
なにがだよ!!
そう叫びたかったが叫べなかった。
なぜなら男が少年のズボンを下着ごとずり下ろしたからだ。
「なっ!? なにしやがる!!」
「これからだと言っただろ?」
大気に触れた肌が震える。
すっと、太ももの裏側を撫でられ体が熱くなるのを感じた。
素直な幼い体は嫌だと思っていても手の動きに反応する。それが、その手によって何度も快楽を与えられていれば触られている事実だけでむず痒さを覚えた。
なんとか抵抗しようとするが、さすがに男が年齢の割りに小柄とはいえ、体勢の悪さと大人と子どもの差は覆せない。
せめて仰向けだったなら……。
そう悔やむ合間にも、男の手は少年の腰を撫で、足の付け根を撫でる。
「やっやめろ!! 変態!!」
なんとかすごんでみるが、下半身が晒されている事実と、ネコミミにまったく迫力がでない。
足にひっかかったズボンが邪魔で足をばたつかせることもできず叫んだ。
エビのように暴れてもみたが、足の間に手を入れられるとつい動きが止まる。
指が後ろの入口を撫でる。
体に染み付いた痛みと、その後にくる快楽が、少年の体を強張らせた。
決して認めたくない期待が、触れられてもいない前を硬くする。
「っ……触るな!!」
「大丈夫だぜ、濡らしもせずいれたりしない」
そういいながら、手に持っていたチューブを開け、とろみのあるジェルのようなものを手に広げる。
体温に馴染ませながら指に絡め、太ももの裏に塗りつける。
ひやりとした感触に震えながらも、ぬるぬると肌の上を広げられ思わず小さな声が漏れた。
「そうじゃ、ぁ、ねえ……」
息が荒ぎ、叫ぶ声も弱弱しくなっていく。
そして、その指が後ろに触れた時、背筋がそらされた。
「ん、ぁ、待て、そんな、いきな……はぁん」
今まで前戯の仕上げとでも言うように後ろをいじられてきたが、何の愛撫もなくいきなり後ろに触れられるのは初めてだった。
おびえるような声に構わず、指がジェルの滑りのよさによって突き入れられた。
痛みと同時に背筋に走るぞくぞくとした痺れに少年は思わず床に顔をつっぷす。
息が苦しい。
「だいぶ柔らかくなったが……あいかわらずきついな」
少しづつゆっくりと指を進ませながら中で曲げる。
きつい内部はそれに反発するように更に締め上げた。
そんな中をジェルをぬりつけるように指でこすれば、少年は体を何度も跳ねさせる。
漏れる声は、辛そうなものから少しづつ甘味を帯びた。
「へんた……ばっ……んな、ことぉ……言うなぁ……」
瞳に熱がこもり、潤んでいく。
巧みに動く指に翻弄されながら、熱い吐息が漏れた。
探るように、指が中を小さくひっかく。
「ふっ、ゃん……や、や、ぁ……」
しかし、その指は微妙にいいところからズレているのか、少年の腰がもどかしげに揺れる。
男は直接ジェルを少年の肌に塗りつけ更に滑りをよくする。
かき混ぜるように少し激しく指を動かせば、くちゅくちゅと卑猥な音をたてた。
「あっそ、こ、だめぇ……ひゃっ!」
そして、その指がいいところに触れたのだろう少年の表情に悦びに似たものが一瞬浮かぶ。
床にしがみつくように爪をたて、カリリっとひっかいた。
それがまた、ネコミミと合わさって猫そのもののようで男は笑ってしまう。
けれど、もう少年にはそんなことを気にしている余裕はない。
指が与える快楽に翻弄されている。
その様子に、男は指をもう一本増やし更に激しく出し入れする。
髪につけたネコミミが激しく振られ、少しズレた。
「はぁ! はげし……ぃぃ、くっぁ……あ……!」
指と内壁がジェル越しにこすれ、水音が大きくなった。
だが、少年はもう気にする余裕もなくうっとりと目を細めて快楽に浸っている。
指を中で回しながら、男は微かに苦笑した。
中の指にあわせて未熟な体を汗で濡らし、くねらせ全てを委ねて来る少年は、中性的な色気をは放っている。
こうなるよう躾けたのは男だが、まさかこれほどまでに快楽に溺れるとは思ってもみなかった。
どちらかといえば嬉しい誤算であったが、もしもこれが少年の兄にバレれば……確実に人としてか男としてか殺されるだろう。
「ぁぅ、ん!! ゆっゆびぃ、はっ……もっとぉ……」
思考に指が止まっていることに気づく。
ぎゅうっと、飲み込みねだるように蠢く内部に、男はそろそろかっと、逆に指を抜く。
「ひゃ……? ぇ、おわり……?」
驚いたような、不満そうな視線が男に向く。
赤く火照った頬を撫でると、男はまたカバンに手を入れた。
なにかわからず見続ける少年の目に、白いものが映る。
「なにそれ……?」
それは、ネコのしっぽに似ていた。
白いふわふわとした部分と、その先に、妙に卑猥な形のピンクの棒状のものがついている、少年にとってひどく嫌な予感のする物体。
先ほどの快楽の余韻もなく、少年は逃げ腰になった。
ぐちゃぐちゃの下半身を隠すように起き上がり、四足で逃げようとするが、それもすぐ捕まる。
そのまま、腰を捕まれると高く掲げられた。
「やっやだ!! 絶対いやだ!! それだけはやだ!!」
「なんでもするんだろ?」
「ネコミミつけただろ!!」
ズレたネコミミを直して、男は笑う。
「何言ってるんだ、ネコミミときたらシッポは必須だぜ?」
「変態!! もうやだあ!!」
「大丈夫、十分慣らしたし、俺のよりは小さい」
「そういう問題じゃねえ!!」
「前も触ってないのに、ちゃんと感じれてただろ? なら、気持ちよくなれる」
「バカ!! 離せ!! アニキー!! アニキー!!」
「うわ、いないとはいえ、それはやめてほしいぜ……!!」
「知るか!! 」
抵抗も空しく、後ろにシッポをあてられる。
硬く、冷たい無機質な感触に少年は恐怖を覚えた。
男のモノをあてがわれるのとは別の嫌悪感。
いやいやと顔を振って抵抗するが男は構わず濡れた入口にぐっと押し入れる。
「やああああああぁぁぁ!!」
ぐりっと、ソレが中を抉る。
指とは違う、ぐうっと、喉元まで吐き気がせりあがった。
痛い、痛いけれど、それよりも拒否感が溢れ出す。
ぐいぐいと押し入る途中、少しだけ膨らんだ場所を中が感じ取った。
押し出そうと締めつけるが、その膨らんだ部分がひかっかって出て行かない。
どころか、入口を刺激して存在感を増すばかり。
「いやああああ!! ほんとに、いやああ!! これ、やだああ!!」
涙をボロボロ流して嫌がる。
だが、男はぴんっとたったしっぽとネコミミに満足げな溜息を漏らした。
ネコミミだけでもそれはもうあつらえたような愛らしさを放っていたが、シッポがつくとまた違う。しかも、嫌がりながらもしっかりと感じている様は発情期の猫にも似て、色っぽく見える。
抜こうと伸ばした腕を片手で抑え、シッポを握った。
その感触が中に響くのが、ひきつった悲鳴をあげる。
「バクラ、ちょう、かわいいぜ」
「うああああ!! うご、うごかすなっ!!」
言葉に反して、ぐっと少しひっぱる。
膨らんだ部分が中でひっかかり、入口を更に圧迫する。
「ぬ、ぬいてえええ!! やだっ!! ひっぅ、くぅ、るしい!!」
しかし、嫌がりながらも前は萎えることなく、腰は揺れる。
がくがくと震えながら必死に男の手をふりほどこうとするがうまくいかない。
どころか、ぐっとひっぱられた尻尾を押し込まれ、更に前から雫を滴らせた。
ひどく、嗜虐心をくすぐられる光景。
もっと、いじめてしまいたい、泣き顔が見たい。男の中の凶暴な衝動があふれ出した。
「はぐぅ、ぁ、ゃあああ!! っぅん!!」
男は、そっと、シッポをいじりながら先端を握る。
かちっと、音がした。
「へ……? ふぎゃああああああぁぁぁぁ!!」
低い音と同時に、中に振動が起こった。
初めての感覚。
中を出し入れされるわけでも、突かれるわけでも、抉られるわけでもない。
ただ、中で震えながら角度を変え、蹂躙されていく。
「なっ!! かああ!! おかし!? おかしく、なるう!! なっこれぇ!!」
「すごいだろ、バイブ機能がついてるんだぜ?」
びくっびくっと断続的に反応する少年の体を撫でながら男が囁く。
もう手を抑えなくともよかった。
そんなことをしなくとも少年の手には、体には抵抗する力もなくなっていたからだ。
震えにあわせて、シッポがゆるやかに振られる。
「こわ、こわれううう!!」
「大丈夫、これくらいで壊れたりはしないぜ」
「ぁぐぁぅあああああ!!」
少年は泣き叫び、背筋をそらした。
怖くて怖くてたまらないと顔をひきつらせ、手がぱたぱたと力なく振られる。
だが、頭とは裏腹に体は絶頂を迎えかけていた。
前に一切触られていないというのに、後ろで、バイブだけで達する。
その嫌悪感に、少年はうまくまとわらない言葉を、一つにまとめた。
「あぁ、てむうう! て、むぅ!!」
それは、男の名前。
もがくように、手が、目が男に向いた。
必死に、すがり、求める。
いつもの強気などどこにもない。弱弱しい子どもの姿が合った。
「ぁ、ぇむう……ぅああ、あてぅう!! こぇ、やぁらああ……」
きゅうっと、やっと届いた手が男の服を握る。
「これ、やだああ……あぇ、ぅ、あてむが、ぃ、いい……!!」
ふるふると力ない手は、何度も服を手放しては握る。
「あてむが、いい……」
男は、そうっと、少年の手を握った。
そして、シッポに手を伸ばす。
しっぽをぎゅっと握ると、一気にぐいっと引き抜いた。
「あぅっはづ!!」
ずるっと、濡れたバイブが震えたまま床に転がる。
その瞬間、少年は達し、白い液体で床を汚した。
ひくひくと力が抜けて床に突っ伏す少年を、男は抱き上げる。
「ぁ……」
どこか、嬉しそうな少年の声。
男は、何度かネコミミのついたまま頭を撫で、頬や首筋に口付けを落とす。
「すまない、いじめすぎた……」
珍しく反省したような言葉に、少年は微かに笑う。
「し、かたねえな……ゆるし、てやる……」
口調のわりにかすれた声。
男はするっと、少年の足を撫でた。
「ん……つ、づき……する?」
「ああ」
男はズボンを下ろすと、少年を膝に座らせる。
「ひゃあ……」
あてがわれた熱さに、身を強張らせながら、少年は安堵する。
やっぱり、コレがいいと、肩に置かれた手を握り締めた。
男も、手を握り返す。
「で、アテム……」
「なんだ?」
「ネコミミ、外してもいいよな……?」
「………」
「なんでだまっ、ああぅ!? そな、急にやめえ!!」
少年は、誤魔化された。
強制ネコミミ+シッポ☆
シッポのネタは某神様のです。許可いただいてるんで、パクリじゃないっす!! 一応!!
とりあえず、鬼畜めの王様+デレ気味バクラが書けて満足です。
ショタネコミミシッポって、最強ですよね。
ウフフフフフ。