※バクラがMです。
元々、病的なまでに白い肌は今は火照り、朱が混ざっていた。
その汗で湿った肩を舐めあげる。
皮膚の下にすぐ骨があるような華奢な舌触りに凶暴な熱が湧き上がった。
抱えた足に指を食い込ませ、強く腰を打ちつける。
反り返る喉から悲鳴に似た喘ぎ声があがった。
「がっ……ああ! はげしぃ……!? いたっ、うう、くるし、ひっ!!」
もがくように自らの肌に爪を立て、うっすら赤い線を描く。
ただ、言葉と引きつった顔とは裏腹に、彼の中心は今にも欲望を吐き出しそうに震えながら勃ち、内部は押し出すというよりもしめあげ、引き止めるように収縮していた。
舐めた箇所を強く吸い上げれば、素直に肌は赤を散らす。
「っ、ふぁ!! ぐ、ひゃああ!!」
激しく突き上げれば突き上げるほど悲鳴は強く、顔は苦しみに歪む。
だが、その瞳には、奥に隠れた快楽の色があった。
それが深く深くしみこみ、体を反応させる。
彼の肌に、歯が当った。
びくりっと、肩が跳ね、背が弧を描く。
なにをされるのかわからない不安そうな表情がうかがうように向けられたが、体を揺さぶられすぐに歪んだ。
軽くあてられた歯が、食い込む。
「ぃっ!」
犬歯が皮膚を突き破り血が滲む。
口の中に鉄の味が広がったが、それでもきつくきつく噛み付く。
「いっぁた!! ぃ、うああぁぁひゃぐああああああ!!」
痛みに目を閉じた瞬間、がくがくと体が痙攣し、内部が今までより痛いほど締め付けた。解放を求めていたそこから白濁を飛ばす。
腹だけではなく胸まで汚してもまだ震え続け、痛いと口にしながらも中心はゆるく持ち上がり始めていた。
血の滲む噛み痕を抉るように舐めるたび、中は反応し締め付ける。
「はっ……い、いたぁ……」
口とは裏腹の体の反応にくすりっと、肩口で笑った。
その笑い声が気に入らなかったのだろう涙で潤んだ瞳で睨みつける。
だが、それは今の彼の姿を考えれば滑稽でしかない。
「マゾ」
「なっ!? どっどういう意味だ!!」
「噛まれて感じてるんだろ?」
「ちっちがう!!」
ぬるりと胸についた白濁を指でなぞり、胸に散っている赤い痕に塗りつける。
荒い息を吐きながら中から抜こうと足に力を込めるが、足を抑えられ一気に穿たれた。
「ふああぁん!! ひっぎぁ!」
「まだ、俺が終わってないぜ?」
「ぁ、ん! はぅぅああ!!」
激しく揺さぶられ、内部を荒らされ、背に赤を増やされた。
それでも、相手が達するまで終わることはなく、また中心は完全に勃ちあがる。
「も、ゆるしぃぇぇ……!!」
くたくたになった体を無理矢理起す。
腰もなにもかもがだるくて痛くて、たまらない上に、病気のように散らばる鬱血の痕がまるで所有の証のようで苛立った。
好き勝手しやがってっと、隣で寝ているその顔を力なく叩いてなんとか立ち上がる。
ふらりと眩暈を覚えながらも、体中のベトベトを落としたい一心で歩く。
気絶してしまえば気にならないが、一度起きてしまえば我慢できない。
「くっ……」
はぁっと息をつき、なんとか脱衣所までたどり着く。
電気をつけ、ふと、視線を彷徨わせた先の鏡に写る自分の姿は、泣きたいほど情けなかった。
元々白い顔は疲れきって青白く、その下には、思った以上の鬱血の痕が広がっていた。
だが、そんな鬱血の痕よりも目を惹いたのは、肩の傷。
首を少し無理して動かさないと見えない位置につけられた噛み痕は、まだ少しだけ赤さを残している。
思わず、指が伸びた。
触れた瞬間、小さな痛みが走る。
それは、本当に微かな痛みだった。声をあげるまでもない、耐えられるもの。
だが、ぞくっと別の感覚が背筋を伝った。
歯形の形をなぞれば、また、ちりっと痛む。
それだけなのに、震えずにはいられない。
意味のわからない衝動。
何度も傷痕を撫でていれば思い出す。
あの歯の食い込む感触。嘲笑に似た笑い声、そして、
(「マゾ」)
ふるりっと、震えた。
恐る恐るおろした視線の先には、あれだけ昨晩吐き出したのにまた硬さをおび始めている中心がある。
(思い出しただけなのに……)
頭をぶんぶんっと振り、正気に戻る。
噛み痕から手を離し、それよりもこの体の気持ち悪さを洗い流さなくてはと扉を開いた。
シャワーを足に浴びながら、一息。
熱い湯を手や体に当てると、気持ち悪さから解放されていく。
ゆるゆると体に体温が戻り、手で体をこすれば、腕にまで鬱血の痕を見つけて頭痛を覚える。どこまで所有欲が強いのだと、叫びたくなった。
ぴりっと、肩が痛んだ。
湯が染みたのだろう傷口は、微かな痛みで存在を主張している。
(俺様……マゾじゃない……!!)
無視して特に塗りつけられた胸へと手を伸ばす。
最も鬱血の痕の多いそこをこすりながら、別の手が過ぎった。
自分よりも小さい手。
男として完成していない幼い柔らかな手は、それでも巧みに彼の体を追い上げる。
肩が痛む。
熱い湯気を吸い込んで、膨らんだ突起に触れた。
「ぅ」
洗うだけだと自分に言い聞かせるが、声が漏れる。
シャワーの暑さのせいか、鼓動が早い。
体を伝って流れる湯の感覚すら克明な気がした。
するっと、手が腰に伸びる。
勃ちあがったそこはまるで刺激を求めるように存在を主張していた。
肩が、痛い。
噛み付かれた肩が痛い。
それほど深い傷ではないのに、じくじくと。
中心を、握った。
刺激を求めていたそこはすぐに刺激を脳へと伝え、手の中で大きくなる。
「は、ぁ……」
昨夜の記憶が巡る。
熱くて、たまらない。
握ったソレを上下に躊躇いがちにこする。
最初はそれだけで泣きたくなったが、痛む肩と快楽に慣らされた体はすぐに理性を蝕んでいく。
疲労した足が体を支えきれず崩れた。
へたりと壁に背を預け、手を動かす。
ぬるぬるとお湯以外の液体が溢れては流された。
肩に手が伸び、傷口を何度もなぞる。
どくどくと鼓動にあわせて傷が存在を主張すし続けて止まらない。与えられた痛み。それは甘美に彼を蝕んだ。
「はっん……」
思わず、傷口に爪を立てれば止まったはずの血が溢れ出す。
けれど、止まらない。
傷口を抉る自身をいじりながら、声を抑えるのも忘れて行為に没頭する。
声が反響する浴室では、それはよりいやらしく聞こえた。
「んん、ん……っ……ひゃあ、いた……ぃ……あ……!」
自分がそんな声を出している事実すら快楽へと変え、絶頂へと上っていく。
しかし、足りない。
足りないと、疼く場所がある。
爪を立てた手を、口に持っていった。
湯に流されなかった血の味がする。その指をねっとりと舐め、噛み付く。指に走る痛みに目を閉じて、口から抜くと、下へと当てた。
まだ、自分では触れたことのないソコは昨晩の名残で柔らかい。
ひくりと内臓が引きつった。恐怖でなく、期待に。
「ぁ、ぁ、ああ、ぁ、あ……はぁ……」
指が少しづつ内部に入っていく。
自分の指を自分の粘膜が締め付ける感覚は、眩暈を起させた。
熱く、ぬるぬると蠢く中は、指の刺激を喜ぶように指を受け入れる。
思わず止まっていた指を動かした。
同時に、中の指もまずは内壁を押し返すように、そして徐々に深く、いつもいじられている場所へと進んでいく。
「はぁあ! あん、う、は、ふ、はん……」
圧迫感の足りなさに指を増やす。
激しく中をかき回すというよりもひっかき、それでも足りないというように顔が歪んだ。
それでも、絶頂はやってくる。
熱く快楽を追うことしか出来ない頭が、解放の予感に悦んだ。肌があわ立ち、足が引きつる。
「はぅぐ……ぁあ、ひっ……ふぁあああん……ぅあ!」
首をがくがくと振りながら、口が勝手に動く。
ここにいない相手を、まるで求めるように。
「ぁ、ぉ、お、おう……さまぁあ……おうさ、おう、さ、おうさまあああああぁぁっ!!」
一瞬意識が遠のき、手の中でソレが跳ね、白濁を吐き出す。
どろどろの液体はすぐに湯に流されたが、疲れた体を更に酷使したせいで立ち上がれない。
体勢が崩れたせいでばしゃばしゃと顔にかかる湯を感じながら、このまま寝てしまいたいという衝動に駆られた。
だが、ここで寝れば風邪どころの騒ぎではない。
なんとか起きようとするが、湯あたりを起したのか、深刻な眩暈と頭痛に襲われた。
(すっげー、やべー……)
思考が空回りする。
瞼が重い。
「おうさまぁ……」
遠のく意識で、呼ぶ。
「呼んだか?」
「……ぉぅ……?」
「ここで寝たら、大変だぜ?」
「……なん、で……」
ぐらつく視界で、笑みが見えた。
しかし、それもすぐ歪んでよくわからなくなる。
「しかたないな」
そして、彼が痴態を全て見られたことに気づくのは、次の日の昼も過ぎた頃だった。
実は、一回書き直したというやつです。なんか、書いたけど気に入らなくて……。
とりあえず、ちょっとぬるいですが、Mバクラかけました!!
王様に噛まれていっちゃうとか、王様に与えられた痛みでおnにーとか、すてきだと思いませんか。思いませんね、すみません……。
自分は違うと思ってても、体は……まあ、とにかく、バクラはMだと思います!!(おい)
そういえば、バクラの自慰は2回目でした。自慰って、需要あるんでしょうか……?(聞くな!!)
なお、タイトルは同じ自慰つながりで。