※とうとういかがわしいことをしました。
グロとか、触手とか、鬼畜ショタ攻めが駄目な人は逃げてください、全速力で。


後、バクラがMです。すいません。僕嘘つきました。バクラはドMです。





















































 失敗したか。

 まったく起伏のない単調な声。
 それは、昔、あれほど耳にするたびに心を打ったというのに、いまはただ心臓を冷たく締め付ける。
 足から力が抜け、座りこんだ自分のところへ、ゆったりとした足取りでやってくる。
 まるで、無力を見せ付けるようにゆっくりと緩慢な動きですぐ前に立ち止まった。

「せっかくの、機会を、逃したか」

 褐色の指が伸びる。
 少し幼い丸みを残すものの、形よい、見惚れるほど美しい指だ。
 記憶に残るものはとても、それこそうっとりするほど優しい。
 けれど、この指は違う。この指はただ自分を傷つけ、苦しめ、苛むだけの指。
 その為だけに構築され、それ以外の用途など、この以外に甘党な邪神にとって、甘い物を掴む程度にしか使わない手。
 額にぺたりと温度のない指が触れる。
 冷たくも、温かくもない、そもそも温度という概念が存在しないのだ。
 ただ、感触だけ。
 すっと、額から右目へと指が降りる。
 思わず閉じた瞼を撫で、浅く目尻を撫でた。

「仕置きだ。精々、泣き叫べ」

 ひたりと、瞼の柔らかな部分に強く指が突き入れられた。
 痛みと言うよりは、違和感。
 だが、湧き上がる嫌悪感はひどかった。
 体中に鳥肌が立ち、冷たい汗が噴出す。
 瞼の中で、指が確かに眼球の裏側を撫でていた。
 吐き気に顔を引こうとするが、それは許されない。
 指が更に突きこまれると、今まで体験したことのない感覚が脳まで一気に届いた。
 温度のないはずの指が灼熱をまとったように熱い。訳もわからず認識する前に悲鳴が口から漏れる。
 痛い。
 痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。
 痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。
 痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。
 痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。

「あああああああああああああああああああああ!?」

 息を声を出せるだけ吐き出した。
 しかし、吸い込むことができず喉がつまる。
 だが、口は閉じることなく肺の中から更に空気を吐き出した。
 酸欠にひどい眩暈を感じるが、気絶は許されていない。
 涙と血が混ざり合い、輪郭を伝った。
 ひどい痙攣を何度も繰り返し、この世のものとも思えない絶叫が暗い闇に響いて消えていく。

「あ、ぐ! ひ! ぃ! ぐぅあ!!」

 ぐりぐりと、緩急をつけ目玉の裏側を撫でられた。
 脳に直接届く痺れは視界を白く染める。
 指がずぶりと根元まで進めば視神経に触れた。そのまま、視神経をごりごりとこすられる。形容し難い感触に背筋がぞくぞくと震えて弧を描いた。
 あっさりと。本当にあっさりと、赤い血と視神経がまだ繋がったままの眼球が抉り出される。
 だらりと涙と血に塗れた白は次第に血管が浮き上がり充血していく。
 慌てて手で戻そうと咄嗟に腕を上げようと思うが、指先すら動かない。

「ひぃああああああああああああああ!?」 

 血まみれの指が、眼球を掴み、軽く引っ張った。
 まだ視神経と繋がっている部分はそれだけで目も眩む痛みを脳へと打ち込んだ。
 邪魔だなっと言いたげな目が血の滴る視神経を見る。
 不意に、整った幼い顔が近づいた。
 鼻と鼻がぶつかる距離。
 薄い小さな唇が開き、赤い舌が瞳に写った。
 その舌が、ぶらさがる眼球の表面をぞろりと舐め回す。
 ありえない感触をなぜか感じてしまい、びくりっと、今までと違う反応を示した。
 それは、反応した本人にもよくわからない感覚。
 戸惑う一つだけの視線が彷徨う。
 けれど、次の瞬間にはその戸惑いはかき消された。
 ぱくりと、軽く眼球は口内に含まれてしまったからだ。
 小さな口には少し大きいものの、温度のない湿った口内に収まり、ぬるりと飴玉のように柔らかく弄ばれる。
 唇を赤く、紅を引いたように血に濡らし、間近で笑う。
 睫の数を数えられるほどの距離。
 酷い嫌悪感の中、小さく首筋がぞくりとくすぐられたような感覚が走った。
(違う)
 混乱した思考が叫ぶ。
 痛みと嫌悪感と恐怖の最中、歪む視界が錯覚を生み出す。
 赤い瞳、黒い髪、歪んだ笑顔。
(違うけど)
 無意識に悲鳴を上げ続ける唇が、意味を形作る。
 違うと、わかっているのに。

「せ、せぁぐあああああ!! セェ……!!」

 セト。
 べたりと、どこか甘えたような声。
 悲鳴の狭間に挟まれる名。
 片方だけの瞳に、狂気が宿る。
 ぶつりっと、眼球を繋いでいた視神経が噛み切られる。

「あがああ!?」

 完全に独立した眼球を見せ付けるように口を開いて舌の上で転がした。
 だが、それもつかの間、白い歯がぐちゃりと弾力のある表面を噛み潰し唾液と混じって飲み込まれる。
 たいして美味そうでもまずそうでもなく笑みを、呆れの形に変えた。

「はぁ……」

 息を吐く。
 温度を持った、熱い息。
 唇の端がつりあがり、狂った瞳が弧を描く。
 熱に浮かされたように、呟いた。

「セトぉ……」

 腕が動けば、縋る為に伸ばしていただろう。
 それほど、愛しげな、落ちきった笑みを浮かべていた。

「理解できんな」

 呆れた表情のまま、口を開く。
 つまらなそうに白い肌に手を伸ばし、撫でた。
 恍惚のまま、その手に顔をすりつける。

「この顔ならば、なにをしても受け入れるなどと」

 褐色の素足が、膝を軽く踏む。
 体重ののらない、軽い踏み方だった。
 その足が、すっと、足の間に伸びる。

「ぁ」

 ぐりっと、踏みつけた。
 膝を踏んだときよりも強いが、それでも軽い。

「まったく……目玉を抉られて感じるとは、あさましい」
「ひ、ぁ、ひゃあ……」
「確かに、快楽など痛みを薄めたものにすぎん……死の間際に性欲が滾ることもあるだろう」

 ぐっと、更に強く踏みつける。
 足の裏の感触は硬く、ソレが勃っていることは明らかだった。
 艶がかった甘い声が響く。

「だがな」
「いっ……いた……ぅぅ……あぁ」

 冷たい声。
 少しづつ踏みつける力を強くしながら、再び顔と顔を近づける。
 快楽から痛みへとまた歪んだ顔を間近に、どこか叱るような口調で告げる。

「感じてしまっては、仕置きにならんだろ」  
「ぃ、ひぅ。ふあ……っ」 
「余は、泣き叫べと言ったのだぞ。悦んでどうする」

 顔の輪郭をぐっと手で固定し、ぽっかりと空洞になった眼窩に息を吹きかける。
 それだけで悶えるほどの激痛が、脳を貫いた。
 苦痛に歪む顔を見下ろしながら、踏みつけていた足の力を少し抜く。

「これでも、萎えぬか……」

 足の指で挟むように布越しにこする。
 熱い息が零れ、蒼白の顔に少しだけ赤みがさした。
 呆れた表情のまま、眼窩に唇を近づける。
 また息を吹き込まれるのかと身を硬くすれば、柔らかい感触が、湿った、温度のないモノが差し込まれる。

「ぎ、」

 舌が、空洞を嘗め回す。

「ああああああああああああああああああああ!? っ―――!!」

 溢れる血を、目の裏側の肉を、涙を、残った視神経を、まとめて唾液にまみれさせた。
 ぐちゃりぐちゃりと内側に音が響く。
 脳を直接嘗め回されているような気持ち悪さ。
 悲鳴は言葉を吐き出すことすら放棄し、獣のような咆哮をあげる。
 震えるという次元を越え、がっくんっと激しく体が暴れた。けれど、体の動きを制限されているため、それも自由にならない。
 わざとらしく、どこか卑猥にもとれる水音をたてながら、ごくりっと、唾液と血と涙を飲み込んだ。
 遠ざかる唇が、付着した血を舐め取った。
 だが、その表情は、冷め切っている。
 楽しさも、なにもないという、やはり、呆れた表情。

「まったく、はしたない」

 足の間から足を引く。

「これで、イくなどと、いつからお前はそんなマゾヒズムに目覚めたのだ」

 びくっと、目が堅くぎゅうっとつぶられる。
 さすがに表面からはわからないが、下着の中がぐちゃぐちゃなのは自分が一番わかっているのだろう、情けなさそうに、涙を零す。
 痛みを与えたはずなのに、つまらなそうな顔がそう告げていた。

「それとも、この顔か?」

 ひくりひくりと痙攣する体を見下ろし、どこか似合わない溜息を漏らした。
 その溜息を見て、ほぅっと、なぜか少し嬉しそうな表情が過ぎる。
 自分の顔を手で撫で「やはりこの顔か」っとますます呆れたように呟く。

「人の執着とは、本当に理解できん」

 さて、どうするか。
 首をかしげて、考える。
 快楽など簡単に陵駕する激痛を与えることもできなくはないのだが、いまいち興が乗らない。
 どうすれば、一番おもしろいだろう。
 闇の中、自らに触れてきた人間たちの記憶と知識を引き摺りだす。ふと、現在の宿主の知識の中で現在の性格として引っかかる情報を見つけた。

「趣向を、変えよう」

 怯えたような表情に少し満足し、ふわりっと、闇へと手を伸ばす。
 どろりと、本来は質感も感触もない闇を掴むと、ぬるりと指を通し、形を変える。

「立て」

 その声に逆らえるはずもなく立ち上がる。
 背後で蠢く闇が恐ろしい。
 これからなにをされるのか、わからない。
 楽しそうな表情は、不安を加速させる。

「脱げ」

 一瞬、意味がわからなかった。
 思わず目を見開き、ずぎっと、激痛が走る。
 自分の右目を動く手で抑えた。

「聞こえなかったのか? 脱げ」

 聞こえてはいるが、うまく理解できない。
 なぜ、脱がなくてはいけないのか。

「3度言わすつもりか?」

 少し苛立ちの篭った声に、慌てて服に手をかけた。
 今更脱ぐことじたい恥ずかしくないが、意味のわからなさが怖い。
 もたもたしながらもシャツを脱ぎ、ズボンのベルトを外し、手を一瞬止める。
 この下は、今はぐちゃぐちゃなのだ。
 けれど、いつまでも手を止めているわけにはいかず、ズボンを脱ぎ、白く汚れた下着を足から抜いた。
 赤い瞳に見つめられ、鼓動が早くなる。
 急に羞恥が湧き上がった。同時に足を、白濁が伝い、更に泣きたくなった。
 あの顔でなければ、これほど反応しないのにっと、目をそらすと、ごぼりっと、闇が動いた。

「快楽は、痛みを薄めたものにすぎん」

 静かな声。
 だが、その裏には一切隠されぬ嘲笑が見えた。

「ならば、過ぎたる快楽は苦痛だ」

 ぞくっと、背筋に冷たいものが走る。
 逃げたい。
 だが、逃げられない。
 闇が、重く床を這い、足に触れた。
 温度は無い。だが、感触はある。
 ずるりずるりと白い足を包み、足首が埋まった。

「快楽をやろう、人では一生かかっても得られない、一生をまとめても味わえん快楽を、だ」
 
 足に絡みつくように闇が這い上がってくる。
 少しも身動きは許されなかった。

「ひっ……」
「余が、見ていてやる……存分に、楽しめ」
「ちょっと、まっ……」

 太ももまで這い上がった闇は、内股を撫でるように這い回り、吐き出した液体を飲み込んだ。
 そうして、十分に濡れた前を包み込む。

「あ、ゃ!?」

 じんっと、下半身を覆う甘い刺激。
 首を捻れば、そこから更に闇ははいあがってきていた。
 しゅるりしゅるりと闇はその身を別れさせ、あるものは細く、あるものはそのままに体を苛んでいく。
 白い肌に黒が巻きつき、細い、一部が胸の突起を器用に締め上げた。

「ぇ、あ!? ま、まって!! やあ!?」

 なんとか腕を動かそうとするが全ては無意味。
 どころか、前に痺れるような激しい刺激が走った。
 思わず足を折りかけて、それすら許されていないことに気づく。
 闇が首に巻きつき、意識をのっとられるような快感が湧き上がった。

「ひゅ、ひゃああ!? ふあああ!! ぁ、ぁあ!」

 最初は、ゆるやかともいえた。
 確かにくらくらくるほど強い快感だが、苦痛とまではいかない。
 胸の突起を荒々しく揉まれ、完全に勃ちあがった中心を責めあげられ背中をまるで何人もの指に愛撫される感覚を得ながらも、少しは思考する余裕があった。

「あひゃあ……んん!! はぐ……ふ……い、いく……ひく……!!」

 だが、それが準備に、初期段階にしかすぎないのを、すぐに理解することになる。
 首から口へと闇が到達したときだった。
 すでに絶頂の直前へと上り詰めた体が、闇に溺れかけたとき、中心を包んでいた闇の一部が、ぎゅうっと、根元を痛いほど締め付ける。

「うあ!?」

 吐き出す直前で止められ、不満そうな声が漏れる。

「さて、これからが本番だ」

 その言葉が脳に到達する前に、闇が、ずるりと中に入り込んだ。

「は、う、ああああああああああ!?」

 闇は中で太く、硬度を持ち、中へと突き進む。
 自分がなにをされているかうまく理解できず、悲鳴にも疑問の色が混じった。
 だが、闇は容赦なく内部でうごめき、内壁を広げ、ぐなりと形を変える。
 痛いとは感じなかった。
 ただ、熱くて気持ちが悪い。
 だが、その気持ち悪さも、口内に入り込んだ闇が舌を弄び始めると鋭い快楽へと変わった。
 それは、言われたとおりの、人では一生かかっても得られない、一生をまとめても味わえない快楽。
 中でうねり、蠢き、あるときは膨らみ、あるときは抉り、ずるりと這い出たかと思うと、勢いよく突き入れられた。
 口の中の闇が質量を増し、悲鳴すら封じる。
 けれど、そんなことはすでにどうでもよくなっていた。
 今、体を支配しているのは快楽だ。
 抗うことなんて、考えられない、そもそも、そんなことすら思いつかせない。

「どうだ?」

 答えの期待されていない問いかけ。
 その声も聞こえていないほど、溺れきっている。
 人では絶対に不可能だろう動きに、快楽の与え方に、翻弄されていた。

「だが、まだだ」 
 
 手を、伸ばす。
 その手が、肌に触れた瞬間、闇も、体も打ち震えた。
 
 快楽を、通り越してしまったのだ。

 有象無象の全感覚を、快楽に回された。 
 人が到達していない場所、人が存在しているのか知らず、名もない次元。
 ゆえに、それを表すことはできなかった。
 全てを置き去りに見開かれた片目は、ただ開いているだけでものを写すことはない。
 けれど、感じてはいる。
 人形ではなく、人間として。

「さて、これで少しは仕置きらしくなったな」

 にこりと、嬉しそうに微笑んだ。
 だが、その笑みも、すぐに消えた。驚いたように、呆れたように。
 いや、いっそ、呆れを通り越しておもしろそうに。

「いまだ、笑えるか」

 嬉しげな笑みに呼応して。
 ほとんど視界など、思考など、働いていないというのに。
 笑ってみせた。
 すぐに消えるものではあったが、確かに。

「人は理解できん」

 ふわりっと、闇の形を変え、玉座のごとく座る。
 
「まあ、見てやるとも、楽しめとも言った手前だ……好きにしろ」

 そうして、赤い瞳は、ただ、飽きる時まで、次の時まで、人を写すのだった。


 ヤッチャッタ。
 どれだけの人がここでドン引きして管理人を見放していくのか。
 恐ろしい。 

 お仕置き+眼球抉り出し+足コk+触手攻め+ドM……まさしく神を神とも思わぬ所業です。
 ゾーク様は色々形を変えることが可能なので、触手くらい軽いものと勝手に信じてます(うわあ……)
 そして、バクラはセト様にされるならどんなことでも気持ちいいって信じてます(ヤメロ)
 王様姿でヤるというのもあったんですが、今回はこっちの趣向で。
 しかし、宿主様どんな知識があるんですか、明らかに管理人の偏見です。
 今回は、ゾーク様がちょっと引いてますね。
 たぶん、邪神だし、封印されてるからだから人とあんまり関わったことがないため。人間って不思議だなーっと思ってるんです。
 経験不足と知識不足です。
 痛みは快楽を〜、過ぎたる快楽は〜はどっかのエロい人が言ってました。
 私はMじゃないので、よくわかりません。エロいですけど(黙って消えろ!!)



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