屋上を渡る風はいつも少し強い。
そんな風に短いスカートや、胸元と腹部を大きく開けたシャツを好き勝手になびかせた少女は、夕暮れに染まっていた。
背の高いフェンス越しに見下ろしたグラウンドでは、野球部らしい影が声をあげている。
それを、特に何の感慨もなさそうな紅に一切染まらない青い瞳で見つめながら、ふっと、背後の扉を閉める音に振り向いた。
「ここにいたのか」
「なんだ、王様かよ」
「不満そうだな。誰か待ってたのか?」
「別に」
視線を再びグラウンドに向ければ、少年は少女の背に体を密着させる。
風あたっていたせいか、いつもより少女の体は冷たく感じられた。そのしえか、少年は少しだけ強く、少女の体を抱き寄せる。
「なにすんだよ」
「何を見てるかと思ってな」
「なにも」
「ふーん」
少年は少女の風に弄ばれるスカートを抑えすいっと撫でる。
びくりっと、少女は震え、嫌そうな顔をするものの、特に抵抗はない。それに調子にのったのか、あらわになっている腹部へと手を伸ばす。褐色の肌は滑らかな感触を少年に味あわせ、思わず少女が微かに息を漏らした。
「やめろ」
さすがに鋭い視線を向ける少女に、少年は手を引いて、代わりに耳元で囁く。
「今日は相棒がいないけど、くるか?」
「なんで俺様が」
「まだ、一回、残ってるだろ?」
一回、という言葉に、少女の表情が強張った。
それは、一週間ほど前に、少年に弱味を握られた代償。
四回、自分からキスする。しかし、少女は三回しかせず、逃げてしまった。逃げる原因は少年にあるのだが、少年にはそんなことは関係ない。
ことあるごとに、一回を取り立てようとしているのだ。
少し振り向けば、楽しそうな少年の顔に不機嫌そうに唇を尖らせる。
「んなもん、無効だろ!」
「ふーん、なら、別にいいぜ。俺は送信ボタンを押すだけだからな」
「てめえ……!!」
睨み付ける瞳と、見上げる瞳がかち合い、沈黙が流れた。
ばたばたと強い風が二人を撫で、通り過ぎる。
遠くで、ボールを打つ音が聞こえた。
「……一回で、済むのかよ」
少しだけ目をそらし、先に折れたのは少女だった。
いや、最初から、少女が折れるしかなかったのだろう。
少年は笑みを強くして、わざとらしく首を傾げた。
「さあ?」
お前しだいだぜ。
少年はそう呟いて、少女の首元に口付ける。ぴくりっと体を跳ねさせ、かしゃんっと、強くフェンスを握った。
しかし、次の瞬間にはべしっと頭を叩き、振り払う。
少年もさすがに素直に手をどけ、少女の答え目で促した。
少女の顔が、ますます険悪なものへと変わる。
「行くぞ……」
「どこへ?」
わかっているのにわざと聞いている表情に、褐色の肌のせいかわかりにくいが、微かに頬を紅潮させ、ずかずか大股でその横を通り過ぎ、振り返った。
「お前んちだよ!!」
すぐにまた扉の方を向き、どかどかと走り去っていく。
少年は笑って少女の後を追いかけた。
どさりっと、シーツの上に押し倒され、スプリングの感触を背に感じる。
天井と一緒に見上げた少年は楽しそうにボタンに手をかけ、手際よく外し、下着を大気に晒した。
特別、露出部分がが変わったわけでもないのに震えてしまうのは、恐らく少女の体温があがっているせいだろう。
膨らみかけの胸を包む黒い布が、いつもよりも大きく上下し、少女の興奮を伝える。
抵抗はしないものの、まだ諦めていない表情で見上げるのを無視し、慣れた手つきで下着を外した。
「ひゃっ」
完全に晒された二つの膨らみに手をかけ、まずは柔らかく揉む。
下から持ち上げるように寄せ、形や感触を確かめた。
成長途中特有の痛みに眉をしかめる少女はもぞりっと居心地悪げに身を捩る。
痛いとは口に出さないものの、少し少年が力をこめると反応し、足が微かにぴんっと伸ばされた。
少しづつ、さらりとした肌の感触がしっとりしたものへと代わり、息が乱れたとき、少年は口を開いた。
「エルナ」
名を呼ぶと、不機嫌そうに視線を向け「なんだよ」っと言外に聞く。
いつものことなのか、少年は特に気にすることなく、言葉の続きを紡いだ。
「胸、大きくなったか?」
「はあ!?」
「いや、前よりも、揉み心地がいい」
「揉み心地とか覚えてんじゃねえよ!! 変態!!」
前とは、一回の元となった日だろう。
少女はまさかっと声を荒げた。
「一週間程度でんなに膨らむかよ」
「確かに、見かけはあまりかわってないぜ。でも、ほら、こう、前は指に収まってたのに……」
「黙れ!!」
ばしっと叩くと、少年は口を閉じる。
ただし、胸を掴む手をあからさまに強くし、膨らんだ胸の突起に指を這わせた。
「ん……」
痛みと刺激に、少女は唇を噛んだ。
小さな胸の形が変わるほど指を食い込ませながら、突起を指で弄ぶ。
「いた、痛い……ぁ、ぅ」
そう訴えるが、指は止まることなく少女を翻弄していく。
痛いというのに、吐く息は熱く、びく、びく、と体は素直な反応を見せた。
声が漏れないよう唇を何度か噛むものの、刺激にはすぐに口を開いてしまう。
目元に痛みではない涙が浮かぶのを見届けると、片手は胸にかかっているが、もう片方の手が腹をなぞり、スカーとへと手をかけた。
ホックを外し、足からずるりと奪い取ると、形のいい足と短パンが現れる。
「お前、ソレ、床に、な、ぁぁ……なげんなよ……」
しわになると告げれば、少年は笑って少し畳むと、遠くに置く。
そして、足の間に体をいれると、足を開かせ、短パンごしに太ももを撫で、その中心へと指を伸ばす。
「ぁ、ま、て」
少し強く上から下へと指を伝わせれば、声を甘くかすらせる。
布越しでも刺激が強いのか、拒絶するように伸ばされた手を少年は肩へと導いた。
「はっ、あ、あん……っ」
ゆるやかに指の動きを繰り返せば、ぎゅうっと握る手が、腕が強く震え、感覚を少年に伝える。
飲み込めない唾液が唇を濡らし、火照った瞳が少年を見た。いつもの荒々しさやきつさはそこになく、妙にしおらしくも艶やかな表情に、誘われるように少年はその唇を奪い、わざと音をたてて舌を絡める。
「んん、ん、ひぅ……ああぁぁ!」
ぐりぐりと強く、少年の指が一点を刺激した。
口付けられながらも声を漏らし、酸欠に眩暈を感じながらも、腕に更に力を込める。
しがみつかれた少年は、少し痛そうだったが、構わず、刺激を続ける。
「いいいっ、ゃ!」
ぶるぶると全身を震わせる少女は何とか強い刺激をやり過ごそうとするが、少年の指は許さない。
巧みに指で強弱をつけながら、弱い一転を弄ぶ。
「ま、まて、や、まてっ、あ、んん!?」
いっそう激しく、体を反応させ、少女はぎゅううっと背中に食い込むほど指に力を込めた。
首を何度も横に振り、足をぴんっとひきつらせた。
息は乱れ、涙は溢れて輪郭を伝う。
そして、一際甲高い声を上げた瞬間、体からくたりっと力が抜け、代わりにその瞳が怒りに染まる。
「待てって言ったろ……!!」
「イったか?」
うまく力の入っていない拳が顔にぺちんっと当る。
その腕をとり、少年が舌を這わせば、少女は過敏に反応し、悶えた。
「ぇ、あう……ふぅ……」
心なしが湿った短パンをまた何度か撫で、脱がしにかかる。
すっかり諦めたのか抵抗はなく、少し腰をあげて素直に脱ぐのを手伝った。
晒された下着は上とセットなのか、同じ黒。
足の付け根を撫でながら、少年はからかうように耳元で囁いた。
「濡れてるぜ?」
「黙れ……」
肩で息をする少女を宥めるように指で涙を拭い、その唇をなぞる。すると、少女は小さく唇を開いて口に含んだ。
ぴちゃりと艶かしく覗く舌は赤い。
濡れた指を引き抜くとすぐに唇を落としてまた舌を絡めあう。
軽く舌を噛んで唇を離せば、下着も脱がしにかかった。
恥ずかしげに足を閉じようとするものの、体で邪魔されうまくいかない。
軽く蹴りをいれれば、今度は足を捕まれ、柔らかな部分を甘噛みされ、そのまま、内股付近まで舌を伝えば声を漏らす。
内股に少し強く吸い付けば、褐色の肌ではわかりづらいが、赤い痕が見えた。
「変なとこにつけんな、足フェチ」
「お前の足が悪い」
「なんでだよ!!」
少女の叫びを無視し、足を大きく開かせ、最も敏感な部分をなぞった。
「!」
阻むことのない感覚は、何回触れられても慣れずに体が思わず逃げた。
けれど、ベッドの上では逃げようもなく、シーツを握って歯噛みする。
「はぁ……」
息を吐き、必死に耐えようとするが、入口をなぞり、そして指がゆるやかに侵入した。
「ぃ、ぁぁ……ふぁ……」
きゅうっと、内壁が収縮し、指を締め付けた。指一本でもきついそこは、けれど、熱く柔らかい。
微かでも指を動かせば、それだけで少女は声をあげ、身を捩らせる。
内壁を押し返すように指を動かせば、ぞくぞくっと少女の背に快楽が走り、体を強張らせた。
「ひゃっ! あ! って、待って!!」
シーツを掴む手に力がこもり、足がじたばたと暴れる。
指は徐々に深さと激しさを増し、奥へ奥へとついていく。
ぬるぬると溢れ出す液体を指にからめながら、指を回転させ、二本目をいれた。ぐちゃぐちゃと指をうねらせる。
抑えきれない声が甲高く響き、少女が背を反らさせた。
指を根元まで突きいれ、ばらばらに蠢かせる。
「ううう、あぁ、あぁ……!」
ぼろぼろと落ち着いたはずの涙が零れだし、どうしていいかわからない感覚に流されていく。
そのうち、声が甘く、腰が揺れ始めた頃、少年は足の間に顔を埋め、舌を伸ばす。
ちろちろとまずは周辺を舐め、そして、一番感じる突起に吸い付いた。
「ひゃあ!? うあああ!! なっなかと、そ、そこ、どうじは、やめ!!」
悶え、身を激しく震わせ、シーツを掴む手が、自分を抱きかかえる。
腕に立てた爪は、決して伸びているわけでも、鋭いわけでもないのに、少女の肌を傷つけた。
嬌声が部屋にこだまし、足がぐんっと一際強く伸びるまで愛撫は続く。
本格的に全身から力が抜け、中を弄ぶ指の感触にそれでも休むことはできず喘ぎ続ける。
すっかり指が中に馴染み、少女が荒く息をつきながらぐったりした頃、指が引き抜かれ、少女の顔に少しだけ不満そうな顔が過ぎった。
それを少年は笑いながら、ベルトを外す。
すでにそれなりの形と硬さのソレを見て、少女は少しおびえながらも、ぎゅっと目を閉じ、開く。
「いれるぞ」
太ももを押さえて、あてがう。
何度かこすりつけ、溢れた液体で十分にぬらすと、入口を広げながら侵入した。
「うぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ああああ!? ひっひろが!?」
背を完全に弧の形にそらし、少女が叫んだ。
暴れることすらできず、痛みと、熱さに目をくらませ、呼吸だけはなんとかしようと口を開いた。
けれど、欲しい酸素はうまく喉を通らず吐き出される。
ソレが全て収まれば、中は形を変えていく。
ひっくひっくっと半分しゃくりあげながら全てを受け入れたとき、少女の顔は見るも無残に汚れていた。
それを丁寧に舐めとりながら、少年は揺するように腰を動かす。
「まああ、ああ、あ、まて!」
絡み付くような中の締め付けに、少年は眉を寄せた。
大きくを息をつき、少女が言うように体を止める。
じくじくと熱は腹部に止まり、血液がぐるぐると逆流していくように感じられた。
少女は、何度も呼吸を繰り返し、そして、強い瞳で少年を見上げて、腕を伸ばした。
沈み、少女に肩を貸す少年に、少女は必死に腕に力をこめ、鋭い犬歯をむき出しに、その少年の唇に噛み付いた。
舌を突き出し、吸い付く。
濃厚な口付けを交わして、少女は手の力が抜けた瞬間、にやっと笑う。
獣のような、勝ち誇った獰猛な笑みだった。
それは、今の少女の姿とあいまって、鋭いまでに色気に溢れている。
「いっかい」
少女の中で、少年のモノが膨れ上がる。
悲鳴。
少年は腰を少女の声を聞こうとせず腰を動かす。
「いっいやあ!! はげし、! くるしっ!! こわれ……!?」
がっつくように少女を求め、その胸や首を愛撫した。
肩に足をかけ、強く開かせると、奥深くへと突きあげる。
最初は戸惑い、嫌がるばかりだったが、そのうち、少女の目がうっとりと恍惚に染まっていく。
「いっ、くう!? いく!! ま、、またあぁ、いくうう!!」
そして、少女が絶頂へと追い詰められ、中をきつくきつく締め付ける。
それが終らないうちに、少年もまた果て、中に白い液体を吐き出した。
どくどくと至急に注ぎ込まれる白濁に、少女はまた体を震わせ、そして、目を閉じる。
けれど、それでもしばらく少年は中に止まり続けた。
直接内部に響く脈動に、少女はなぜか安心し、意識を遠ざけた。
「しんじられねー!! しんじられねー!! なんでゴムもつけず出すんだよ!! 俺様が安全日じゃなかったらどうしてくれんだ!?
つーか、安全日でもできるときゃできんだぞ!? あれ? できるんだよな? できるって了は言ってたよな……?」
すっかり処理された後のベッドにふてくされて少年に文句を投げつける。
少年も悪いと思ったのだろう少女の文句をあえて受けながら、ミネラルウォーターのペットボトルを渡した。
「あれで、一回終わりだからな!!」
「ああ、随分と満足させてもらったぜ」
「そういうこと言うんじゃねえ!!」
一口飲んだペットボトルで殴りつければ、思わぬ痛みに少年はうずくまる。
「画像、消去しとけよ」
「ああ、でもな、バクラ」
「なんだよ」
「喧嘩はあんまり、するなよ」
「……できるだけ、しねえよ……」
少年は、似合わない溜息をつき、少女の手ごとペットボトルを握り、口に運ぶ。
「一応、俺が心配してるんだぜ?」
「はあ?」
訝しげな表情に、少年はその白い髪をなでる。
「まあ、わからないならいいけどな」
意味深な笑みで、少年は手を引き寄せ、口付ける。
「まあ……またこういうことしてほしいなら、いくらでも喧嘩してもらってもいいんだけどな」
「もうしねえ!! 絶対しねえ!!」
少女の言葉に、少年は少しだけ安堵し、残念そうに首をすくめた。
王エルエロできたよー!!
ふう、なんとか第一目標を到達しました。何度せとバクや、別のパラレルの魅力にやられかけたことか。
最初は、エルナたんをぐだぐだ悩ませていたのですが(屋上のシーンが名残)やっぱり、すぱっとやろうということで!!
久々にエロかけて嬉しかったです!! 楽しかったです!!
これからもがんばります!!