※エロなのに色気がありません。
妙に現実的です。
前世の記憶というものは厄介だ。
会ってその日に唇を重ねた。
今のお互いの名前を知るより早く舌を絡めて、名乗るより先に愛の言葉を囁いた。
なにもかもを取り戻すようにお互いを抱きしめて、求め合ってしまう。
触れる指先が、腕が、触れられるからだが嬉しくて口で欲しいと言う前に、体が反応してしまうなんて最悪だ。
口がふやけるくらい長いキスをして、髪をかき混ぜられたから、背に回した手にぎゅうっと力を込める。
「会いたかった」
呼吸の合間に告げられた言葉に答える前にまた唇を合わせ貪りあった。
あまりの激しさに足から力が抜けるのを感じて壁に背を預けてあごをあげて、それでもやめられない。
前世の記憶というものは本当に厄介だ。
それが報われぬ不幸なものあらなおさら。
案の定、3日で物足りなくなった。
いや、すでに2日目の時点で物足りないのはわかっていた。
相手の手が胸に下りてきた時点で、限界はきていたのだろう。
どうしても、相手がほしかった。
求めて、求めて、求めて、どうしようもない。
もっと、触れたかった。
もっと、深くお互いを感じたかった。
もっと、強くつながりたかった。
「王様……えっと、本気?」
昨日は阻んだはずの手が、今日はうまくいかない。
遠ざかろうと下がった瞬間、机にぶつかる。
その間にも相手は腰を抱き、頬に一つ口付けて耳元に囁く。
「俺はいつでも本気だぜ」
男にしては少々小さな手が、薄い胸を撫で、スカートへと伸びた。
「まっ待って……」
「もう、17年と3日待った」
「それ、全然待ってねえから……やっやだ、学校じゃ……ん」
唇を重ねられ、言葉を封じられる。
舌を絡められてしまえば理性が遠のくのを感じた。
ずっとずっと、それこそ前世からほしかった体温。それが、今ここにある。
うっとりと目を閉じてしまい、それを肯定ととったのだろう、相手はスカートの上から足の付け根を軽く撫でた。
「ま、て……」
唇を無理矢理外して呟く。
それでも、相手は待ちはしない。短いスカートをまくりあげられ、下着へと指が伸びた。
あまりの性急さに怯え、肩を叩いて抗議する。
「待てって、王様……!」
さすがに指が下着から遠ざかり、不満そうな顔が向けられる。
「ここ、学校だぞ……それに、教室だし……」
「鍵ならかけたし、巡回がくるのは2時間後だ」
「なんで知ってるんだよ!! つーか鍵って!! 計画犯か!!」
「俺はもう我慢できない」
もう一度唇を重ねられ、背にしっかりと腕が回される。
この瞬間の熱さがたまらない。
ああ、いいか、と許してしまう。
ここが学校で、いつも勉強する場所だという事実すら、どうでも。
背に手を回せば、ぐっと、強く抱く腕に力がこもる。
一切の加減のできていないような力に、顔を歪めて、今度は背を叩いて抗議した。
「いた、お、さ、いた……」
「ああ、すまない」
思ったよりもあっさり腕の力が緩む。
少しだけ相手は不思議そうな顔をして、すぐに納得したように頷いた。
「そうか、お前は女だったな」
「……王様の節穴には俺様が男に見えるのか……返答しだいじゃ……ここを墓場にしてやるぜ……?」
一瞬だけ、自分の薄い胸を見下ろし、すぐに睨みつける。
別に、気にしてはいないつもりだが、指摘されると、特に相手に言われれば拳を振り上げるのも辞さない。
「いや、前のお前も、随分華奢だったが……これくらいの力でも、平気だったからな」
前の自分と聞き、心が騒ぐ。
ざわざわと落ち着かない。
嬉しいような、苦しいような複雑な思いがわきあがった。
髪を撫でられ、その腕に顔を寄せる。
「おう、さま……」
もう数えるのもやめたほど重ねた唇。
今度は自分から舌を絡め、相手を誘った。
後のことは後で考えよう。
そう、今は、今だけは、この瞬間のことしか考えたくない。
やっと、手に入れたのだから。
「王様……い、た、そんな強く……揉むな……」
壁に背を預けた少女は、相手の腕によって晒されていく肌に寒さを覚えた。
対して、相手は急ぐ心を抑え、上着をまくりあげられ、大気に触れる白い胸を揉みながら探るように肌の柔らかさを楽しんむ。確かめるような、覚えなおすような手つきはくすぐったいが、記憶の中の感覚が知識としてあるせいか、妙な気分になっていく。
まだ幼さが残るものの、女のラインは相手の記憶が知る男のものとは違い、華奢でも柔らかい。特に前世ではなかった胸にすっぽり収まる小さなものでありながら存在する胸の感触はや丸いラインは手に張り付くように気持ちいい。
つい強く揉んでしまい、顔をしかめさせることとなる。
「もっと、やさ、しく……しろ!」
息を乱しながら言う少女は、恐ろしい声が出ないように唇を噛んだ。
気持ちいいというよりは、記憶に翻弄されているのだろう。指で触れられた瞬間よりも少し後に体が反応している。
声に答えるように指つきを優しくし、相手はゆっくりと自分の手の平の温度と、緊張しているせいか低い少女の温度を近づけた。
震える体を落ち着かせ、記憶というよりは、触れた感触に反応してきたのを見ると、その白い首に唇を落とす。
ぬるりとした感触と、湿った温度に少女の体が驚くのを感じながら、舌は胸の合間を辿り、へその周辺を撫でるように伝った。
舌の伝った場所は大気に冷やされ、少女の熱くなっていくからだの上で存在をはっきりさせる。
うまく足に力が入らずをがくりっと震わせればその部分をちゅっと強く吸われた。
「あ、痕……」
見下ろして、そこに赤い鬱血ができたのを見て少女は少し慌てる。
「そっそんなとこ、残したら体育とか困るだろ!!」
「大丈夫だ。水泳の授業は終っただろ?」
「それでも、着替えとかあるだろ!」
「シャツを着てれば見えない……首よりましだろ?」
ましではあるが、気に入らないのだろう、もう残すなと睨みつけ、頭を軽くはたかれた。
相手は少し不満そうだったが、腰から足へと手を動かし、スカートの中に今度こそ手を侵入させる。
短いスカートはひらひらと相手の首元で揺れる。
「ぅ」
下着のラインにそって付け根を撫でながら、相手は少女の中心に触れる。
するっと撫でれば、微かに濡れているようにも思えた。
「っ」
きれいにくびれた腹を舐めながら相手は指を動かす。
下着越しに最初は指の腹でさするように、そして少女の白い頬が紅潮していくのを確認して指に込める力を強くしていく。
「ぁぁ」
とうとう抑えきれなくなった声が唇から漏れた。
それに気をよくし、相手は入口付近を強く押す。
「ゃ、ぅあ」
はっきりと湿ってきた入口付近を何度もぐりぐりと押し刺激を与えれば、おもしろいほど素直に声が出る。
しかし、その表情にはどこか不思議そうな困惑があった。
「どうした?」
舌を腹から離し見上げて聞けば、困ったように眉根が下がる。
「な、んか、変、ちがう、う……」
「?」
「きお、くと……違う……」
そう言われ、納得した。
少女の記憶にある感覚は、男のもので、決して女のものではない。
同じ粘膜ではあるが、使用目的の違う場所は、位置も、受ける刺激も、気持ちよさも違うのだ。
「自分で、ここ、触ったことないのか?」
「あるけ……ど、ちが……」
「なるほど」
相槌を打ちながら、入口から少し上に指をずらす。
それだけで、少女の体は敏感に反応し、きゅっと、足を閉じようとした。しかし、間に入っている相手の手がそれを邪魔する。
位置口の少し上を入口と同じように刺激した。
しかし、少女の背を走る感覚も、少女の反応も入口のときとは違った。
「っぁああ!!!」
思わず膝を折り、体を倒して相手の頭を抱きかかえた。
強すぎる刺激に、口をぱくぱくさせて驚いたように虚空を見ている。
今の感覚はなんだと混乱していれば、もう一度強く押された。跳ねる体。目も眩みそうな激しい快楽に涙が滲む。
熱い息を吐き出して、記憶との齟齬に思考がうまくまとまらない。
「ひゃん!! あああぁ、ぁっあ! ああ!」
不安げな表情を見ずとも感じ取ったのだろう、相手は一度刺激するのをやめて腹に鬱血の痕に軽く口付ける。
「大丈夫だ」
一度体勢を立て直させ、今度はスカートをまくりあげてその中に顔をつっこんだ。
いきなりの行動に少女の顔は紅潮どころではなく真っ赤に染まる。
「てめ!! やめぇぇぇああああ!!」
文句を口にする前にぐりっと親指で押しつぶすように突起がいじられた。
悲鳴に似た声があがり、立て直した体勢がすぐさま崩れる。
それでも少年は構わず、すっかり濡れた下着をずりおろす。足が暴れるせいか半分までしかさがらなかったが、スカートの中で少女のソコはすっかりと晒されていた。
少年の指が直接ソコに触れる。下着越しとは違いすぎる感覚。指がやわやわと濡れた筋を撫で、突起を軽くつっつく。
「ひっ!! ひぁ、ああ! ふぁ! あぅ!!」
足の震えが強くなり、少女が少年の頭を抱えたせいで、顔が近づく。それを幸いと、相手はそこに舌を伸ばした。
少女は何度も何度も瞬きを繰り返し、初めての感覚になすすべもなく翻弄される。
表面を舌と一緒に撫でていた指が不意に少女のソコを割り、入口と内部の境を指でなぞる。
「まっまって!! あ、ひぃ! ううん、んん!! まああ!!」
少女の言葉に待たないと答えるように指は内部の境に溢れる湿り気に指を絡める。
少しづつ内部へと指を進め、ついに指が入口に突き入れられた。
「うううううう!!」
微かな痛みと気持ち悪さ。
だが、それもすぐに気にならなくなる。
なんだかわからないうちに指は少女の中をとにかく進み、時折中で蠢いた。
声の漏れる唇を何度も開閉しながら少女は不安でたまらない。
この感覚は慣れない。記憶と違いすぎる。触れる指は、相手は、同じはずなのに。
「お、う、さ、ああ!! おうあまああ!!」
呼べば、舌と指が動く。
立っていることが限界なのだろう、少女の体はずりずりと下がり、壁と相手の間に挟まった。
窮屈さに顔を歪めたが、それもすぐ別の表情へと変わる。
びくびくと指が中で動くたび身を捩り、背をくねらせ、足がぴくんっと張り詰めた。
「大丈夫だ。ちゃんと感じてるぜ」
これが、感じる?
少女は訳もわからず聞きそうになって口を閉じる。
しかし、知ってしまったからには引き返せない。
少女は指の動き、舌の動き、そして吹きかけられる息に素直な反応を見せた。
相手の指が二本になり、狭いが柔らかいそこを広げていく。
ふっと、少女はとある事実に気づいた。
なんとも、この状況にとてつもなくふさわしい、大切なことだ。
「お、さまあ……おう、さま!!」
力をこめて腕で相手の体を叩く。
すると、スカートから顔を出し首をかしげた。
「どうした?」
それを口にするのは、とてつもない恥ずかしさがこみ上げるが、とても重要なことだった。
少女は、おずおずとその単語を発する。
「おうさ、ま……あの、さ」
「?」
「ちゃんと、ゴム、持ってる?」
相手の動きが止まった。
考えている顔だ。
困っている。困りながら考えている。
少女は熱が冷めるのを感じた。
さっきまでの雰囲気を吹き飛ばし、相手が頭を下げる。
「すまん……」
「おい!!」
「そうか、そういえば忘れてた」
「忘れんな!! なんで鍵とか見回りとか調べてるくせに肝心のもの忘れんだよ!!」
「いや、そうか、そうか、お前は女だったな」
「言っとくけど、俺様、ぜってえええええにないあんらいれさせないからな!!」
「出さなくても?」
「バカ!! バカ王!! 出さなくてもいれるだけでできることもあんだよ!!
保健体育の授業ちゃんとうけてんのか!?」
「……できたら、俺が責任を……」
「とれるか!! いいか、俺様もお前も17、じゅーなな!! 高校やめたくねえし、それよりもなによりも兄貴に殺される!!」
兄貴という単語に反応したのだろう、相手は目をそらした。
二人ともその場合を想像し、青ざめる。
だが、それしきのことで萎えるほど、相手はまだ達観していなかった。
少女が言ったとおり、相手もまだ17の盛りなのだ。健全な男ならば我慢できるものではない。
「……じゃあ、俺のコレはどうしてくれるんだ?」
足に堅いものを押し付けられ、少女の頬に赤みが戻る。
躊躇うようなそぶりを見せながら、少女は呟いた。
「くちで、する……」
すっかり堅くなったソレを間近で見て、少女は震えた。
触れてみれば、記憶と変わらぬ熱さと大きさに鼓動が早くなる。
そう、これは覚えている。
少女は大きく息を吸うと指を動かした。
多少の迷いはあるものの、巧みな手つきは、男を絶頂に追い上げるものだった。
白く細い指がソレを扱う様はあまりにもミスマッチでありながら淫猥で相手の心を高ぶらせる。
そして、小さな唇から赤い舌を出し、少女はその先端を舐め上げた。
記憶と同じということが安心感を与えるのだろう、少女の顔に戸惑いは無い。
唇をはりつけ、先端から根元へ、根元から半円を描くように先端へとじっくりと舐め上げていく。その間にも決して手は止めず、相手の的確な箇所を攻めていく。
もう一度先端まで戻ったとき、少女は口を大きめに開け、止まった。
口を閉じ、そこではたっと困ったような顔をする。
相手が目で問うと本当に、本当に何の意図もなく困った声が返ってきた。
「この体、口が小さい」
見比べてみればわかるが、相手のその年齢に不相応な大きさのソコは明らかに少女の小さな唇に入りはしない。
別に、無理にくわえ込む必要はなかったが、やはり、記憶との齟齬が嫌なのだろう、せめて先端だけでも、っともう一度口を開けた。
歯が当らないよう必死に咥えこみ、口の中で転がす。
代わりとでも言うように激しく手を動かしながら、相手を絶頂に導いた。
顔の角度を変え、かりっと軽く歯を当てた瞬間、口の中に白い欲望が吐き出される。
しかし、その量は口で受け止めきれず溢れてアゴを伝い、首を流れ、服を汚した。
少女の目が見開かれる。
そして、先端から口を離して、余韻に浸る間もなく悲鳴をあげた。
「ぎゃああああああ!! 制服がああああああ!!」
その日、少女はジャージで帰った。
必死に兄に言い訳を伝えたが、信じたかどうかはわからない。
がんばったら、ちょっと長くなりました。
現代と考えてエロしたら、妙に現実的に……。
えーっと、王様、ゴムはマナーとして持ち歩きましょう><(萎える)
しかし、ノーマルエロは妙に恥ずかしいですね。
もしや、現実的というよりも、ギャグに走って誤魔化しているような……。
ちなみに、天音ちゃんは記述していませんが、実は転校生です。