※グロいです。後、ふいんき(なぜか変換できない/自作語)小説です。









































 拝啓愛しいサロメ様。
  どうにもこうにも勘違いしているようですが。
  私も貴方様の首くらい欲しいです。
                       敬具



 スタンっと、足が切り離されるのをサロメ様は見ておられました。
 王は二度とサロメ様が踊れないように、どこにもいけないように切り離してしまったのです。
 美しい断面は赤くぬらぬらと輝き、白い骨と黄色い脂肪、肌に浮いているときは青い血管がじわじわと赤くなっていき、そして大量の血が噴出しました。
 ころんっと愛らしく赤く転がった足首を拾おうとしてサロメ様はがくりとこけます。当たり前ながら、足首とはいえ片足で立つのはとても難儀なものでした。
 しかも、サロメ様がいまいち自分の足が切り離された事実を理解できていないようで不思議そうに首を傾げます。
 すると、王はその真っ赤に染まったサロメ様の足を拾いあげ優しくまるで愛しい恋人に接するように口付けました。おかげで王の口の周りは血だらけで血肉を貪ったようです。
 それでも理解できないサロメ様は、王に向かって両手を突き出しました。

「王様、返して。俺様の足」

 っと、形良い唇で呟きましたところ、王もまた不思議そうな顔をしました。

「どうするんだ。足なんか」
「くっつけんの。だって、足がないと俺様歩けない」
「歩かなくてもいい」

 王は愛しく愛しく笑い告げました。

「ずっと俺の傍にいろ」

 それはうっとりするような声音でありました。
 けれど、サロメ様はまったく感じません。それよりも足が大事とばかりに腕を伸ばします。王はちょっと困ったように眉根を寄せましたがサロメ様に足首を返しました。
 サロメ様は嬉しそうに足首を受け取り大事そうに抱えました。そうして未だナイル川のごとく赤い血が流れ続ける断面にくっつけようとしたのですが、うまくいきません。
 それも当然のことで、どれほどキレイにあっさりと切り落とされたからとはいえ、もうすでにそれはサロメ様の足とは違う肉になってしまったのですから。
 王はひどく不思議そうなサロメ様の柔らかな白い頭を満足そうに撫で、その頬に口付けました。乾いていないサロメ様の血が褐色の肌を汚します。
 サロメ様はそんな王を邪険に振り払いますが、サロメ様のお体の一部である方の足は未だ血だまりを大きくするものですから、王はその少し上をきつくきつく用意していた包帯で締め上げます。それも嫌そうに見ていたサロメ様ですが、血の勢いが弱くなったのでお許しになられました。もう一度足をくっつけようとしますが、できません。
 それを間近でじっと見ていた王は、今度は唇に口付けます。すると、サロメ様の口の周りも赤くなり、血まみれになってしまいました。
 サロメ様は王の顔をその空とも澄んだオアシスとも違う青い瞳で見据えますと、やっと、やっと理解なされた表情をなされたのです。
 まさしく、血の気が引くとはこういうことなのでしょう、サロメ様は顔を引きつらせ華奢な喉を震わせて悲鳴を上げました。
 理解した途端、足から先を灼熱が襲い、サロメ様は倒れてしまいます。
 それでも悲鳴は止まらず、王はそれをただ見ておられました。泣き叫び足掻くサロメ様のお姿を、じっと。
 悲鳴がいつしか汚い罵声に変わり始めた頃、王は倒れたサロメ様に覆いかぶさり何度も口付けます。サロメ様はそれを激しく拒絶なさるのですが血が足りないせいでしょうか弱弱しくなっていきました。
 視界さえくらくらと歪み始めた頃、サロメ様は笑いました。
 この世の絶望を全て受け入れたかのような笑いです。
 笑って、笑って王にしがみつき、唇に噛み付き歯を強くたて御自分の血と王の血を舐めて飲み込みました。
 王はそれを笑って許します。
 そして、御自分もサロメ様を貪りました。
 笑って抵抗しないサロメ様の服を脱がし、肌に口付け、足を抱えて。
 激しく揺さぶられる間も、サロメ様は王にしがみつき笑っておられました。
 止まらない血がお二人を赤く染めます。
 なんとも狂気に満ちた醜く美しい光景でした。



 盗賊が身を起すと、そこは真っ暗は闇の中。
 ひどく汗をかいていたので、頭を振ってどんな夢を見ていたか思い出そうとしたが、思いだせない。
 ただ、なぜか、ただ、なぜか、ひどい夢だったはずなのに。
 一瞬過ぎった考えを振り払い起き上がろうとした足に力が入らないことに気づいた。
 少し闇に目が慣れればそこは王の部屋。体中のだるさにされすぎたかと不機嫌そうに体を後ろに倒す。
 もう少し加減しろよなっと呟きながら王の気配にもう一度起き上がった。

「バクラ、起きたのか?」

 王は、笑っていた。
 嬉しそうに、嬉しそうに。
 ぞくっと、盗賊はその笑みに背を震わせる。
 ひどい違和感。
 だからこそ、盗賊は怖怖と自分の足にかかるシーツを持ち上げた。
 見たくないと眼をそらすものの、やはり、見ずに入られない。
 褐色の足の上、白い包帯が巻かれ、その足首から先は、

「あっ」



 ない。



「ああ……」

 王はそんな盗賊をやはり嬉しそうに見ていた。

「ずっと俺の傍にいろ」 
 王のその笑みに、盗賊は引きつった顔をそのまま笑みに変える。
 そして、あまりにも幸せそうに頷いた。
 あまりにも狂った光景でした。



 ツッコミどころが多すぎるとツッコメなくなる(おいおい)
 前からやりたかったバクラの足切断……。本当は根元からやる予定だったのですが、お手軽さを考えて足首に変更(お手軽さってなんだ!!)
 なんとなく物語風なのは、ちょっとでもグロさを散らそうとして失敗しただけです。大失敗。
 そして、最初のアレな文章は勿論トップのアレをいじっただけです。
 よく間違われますが、サロメ=バクラなので、あれは王様からバクラへの文章です。すみません。
 幸せの一形態。別ルートへの分岐点。盗賊飼い殺し。
 書いてる人だけ楽しいふいんき(なぜか変換できない)小説でした!!
 笑いながら犯されるシーンがいまいちだったので、いつか別シチュでリベンジしたいです(やめろ)
 ちょっと、ぬるかったですかね? 私の描写が色気も迫力もないので悲しい限り……。


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