ざあっと、熱いシャワーを顔に受けながら、彼は蒸せるように熱い息を吐き出した。
口に入ってくる湯に更に熱さを増しながら震える足になんとか力を込める。
「ぁ゛、ぅ……ん……」
思わず出した声はひどく掠れ聞けたものではない。しかし、喉が湿り気を帯びたせいだろうか、微かに単語を判読できる程度にはなっている。
それでも、喉は痛む。けれど、声はとまらなかった。
湯気の中霞む視界、体を折り曲げて抱えた頭の感触と首に震えるごとに当る首輪が意識を飛ばすことを防いだ。
「な゛」
がらがらとした声で、必死に呟く。
「なか、うごか、すの、やめ……」
ちゅっと、少年はその言葉に彼のそそり立つ自身から口を離した。
「なか?」
笑って聞き直しながら、指を動かす。
その動かす先は、彼の中、散々いじり、ほぐし、道具を入れて慣れさせた場所だった。まだ嫌悪感も異物感も強いが、どこか違う感覚を得ているようにも見えた。
ひくりと痙攣するそこを二本の指が強く突き上げ、彼は足をがくんと崩す。
「ゆ、び……」
首を振りながら訴えるが、指が止まることはない。
少年はその足の付け根に何度も口付けながらあいている手で足を再び立たせる。
がくがく震える足は今にも座り込みそうだというのに、折った背を壁に押し付けられ、無理矢理立たされ続けていた。
「散々、色々いれたからな、キレイにしないとだめだろ?」
そんなもの、知るかと言いたかったが、うまく飲み込めない唾液に声がでなかった。
「うっ……」
「だいぶ、慣れたな」
その言葉に反応して、中の指を締め付ける。
気持ちが悪いはずなのに訳のわからない刺激と震えが背筋を走りたまらない。
「や……め、ろ……」
「違うだろ?」
湯以外の液体に濡れるそこをもう一度口に含む。
舌と指で翻弄されながら、快楽と湯の熱さに温度が上がる。
ぼうっとしていく思考の中を繋ぎとめるのは、後ろに入れられた指。
軽く歯を前にたてられ、一瞬視界が白くなる。
絶頂が近いのを感じながらなぜ自分はこんなにも素直に立っているのだろうかと気づく。
相手の言うことなど、聞かなくてもいいというのに。
今すぐ、殴りつけて逃げてもいいというのに。
けれど、曖昧な思考と体に刻まれた恐怖が逆らえばもっとひどいことをされると反射的に従ってしまう。
「やめて、くださいだろ?」
「んん!!」
口の中に含んだまま言われ、体を強く反らせた。
揺れる首輪が赤い絞め痕に当り、鈍い痛みを覚えさせる。
「やめてほしかったら、それなりの口をきくものだぜ?」
口を離し、ゆるゆると根元から先端を嬲るように舐めながら言い聞かせた。
その間にも指は深く、奥を撫で回し、かき混ぜていく。
「ほら」
促すようにソレに口付け、軽く唇で触れる。
「や、」
中をひっかかれると同時に太ももをなでられ足がまた折れる。
背がべたりと湿った壁にくっつき、滲んだ壁が見えた。
ゆっくりと、指が角度を変えながら抜き差しされる。
「やめてください、だろ?」
「ぁう、ひゃああ!!」
指の速度が締め付けに反して速くなる中で、微かに、なにかがかする。
激しい反応に彼も少年も驚いて目を見開いた。
よくわからず見下ろした先で、少年と目が合う。困惑に揺れる瞳を見つめ、少年はもう一度、同じ場所を探るように指を動かした。
「や、ま、ちが……」
意味のわからない言い訳が口から漏れる。
しかし、少年は待たなかった。
少しづつ丁寧に先ほど触れた場所を確かめていく。
「ひっ、ぁぁ……ひぃぃあああああ!!」
そして、もう一度その場所に触れたとき、激しく体が反応した。
強く、確かにその場所を見つけた少年は、顔に笑みを貼り付け、何度もそこを強く抉った。
がらがらとひどい声が風呂場に響き木霊す。
「ぁぐうううぃいいい!!」
それは痛みと違う。
痛みであったならば彼のソコは昨日のように萎え、その顔は苦痛と嫌悪に歪み、真っ青になっていただろう。
しかし、その時の彼の顔は戸惑いと、言い知れぬ感覚に染まり、頬は紅潮して更に熱を追い上げている。
「へっい、へん! そ、ご、やめ!! ぐっうう!!」
中で指を曲げながら、少年は座り込もうとするのをとめた。
そして、軽く腹や足の付け根に微弱な刺激を当るように口づける。
「ひっぁ、あう! ぎいいいだっ! や!」
がくりがくりと震えを超えて曲がる足を閉じようと動かすがそれすらも邪魔される。
背を反らしながら助けを求めるように見下ろせば、促された。
「なんて、言えばいいと思う?」
ぐっと、強く目を閉じた。
口から悲鳴をあげながらも、それは一つの形をとる。
「や、やめ」
はあっと、乱れる呼吸。
それでも、もう随分口から出すのことを躊躇わなくなってしまっていることに、彼は気づいている。
「や、ぁ、ぁ、めてく……ださい」
いっそ、あっけないほどあっさりと後ろから指が抜かれた。
そのまま、ずりずりと濡れた壁を伝い、風呂場のタイルの上に座り込む。
相手とほぼ同じ目線にへたりこみ、熱い空気を吸い込んだ。
すると、あごが持ち上げられ、唇を奪われる。舌が入ってくるかと思えば、上唇を舐められ、軽く下唇を噛まれただけだった。
「頭、洗ってなかったな」
「?」
「洗ってやるぜ」
さっきまでの行為とは間逆の日常的な行為に違和感を感じた。
今までが非日常から逸脱しすぎていたせいか妙にほっとする。
ただ、彼の足の間は絶頂が近かったというのに吐き出すことができず勃ちあがっていた。もぞもぞしている内に後ろを向かされた。
少年は慣れた仕草でシャンプーを手に取ると、彼の白い頭に手をかける。
最初は恐る恐る力加減がわからないのか弱いものだったが、彼が目をゆるやかに閉じて動かないと、少しづつ強いものにしていく。
他人の手の心地よさに彼は眠気すら感じた。
思い出すのは、いつか兄に髪を洗ってもらったときの記憶だ。兄は髪を洗うのがうまかったとうとうとと考える。
けれど、いつまでも思い出にひたることはできなかった。
髪から滴る泡がぬるりと首を伝い、胸や背を落ちていくとびくりと感じてしまう。それが思い出から今に彼を引き戻させ、未だ熱い中心に意識を向けさせる。
「ついでに、体も洗うか?」
いいっという意味でゆるく首を振ったが、少年は意図的に無視し、シャンプーを洗い流すと今度は手にボディーソープをたらす。
嫌な予感がひしひしとした。
シャンプーが顔にもかかっているせいで目が開けられず状況は確認できない。それでも、ひやりとボディーソープまみれの手が触れればわかる。
「ぁ」
ぬるりぬるりと指が肩を撫で、背中を伝う。
そのあまりにもあからさまな手つきに逃げようと前に手をつくが相手の手が前に回り、背と少年の胸がぺっとりとくっついた。
熱いのか、そうでないのかわかりづらい体温が混じる。
身を捩ろうとすれば、胸の突起に指がのび、つまむようにボディーソープを塗りつけられた。
「ぁ、ぅ、ぁ、ぁぁ」
快楽にはまだ弱く、慣れていないせいか、むしろくすぐったいとさえ思う。しかし、微かに何か危うい場所へと導かれそうになり怖い。
しばらく遊ばれ、ふいにその手が下に降りていく。
無駄なく鍛えられた腹やヘソの周辺を軽く愛撫し、足の付け根へと更に降りた。淡い期待が背を走り、顔を更に紅潮させる。
けれど、その期待はするりと交わされ、内太ももへと手は伸びた。
もどかしい刺激についつい腰が揺れれば、耳に軽く息を吹きかけられる。
「どうした?」
意地悪げな声に小さくなんでもないと答え、手に力を込める。
屈したくないという今更だが、あからさまな態度に少年は苦笑した。
「中も、もっとあらってやろうか?」
びくっと怯えるように体が引かれた。
本当にいやらしく、力の篭らない腕が少年の腕を掴んでとめる。
「なら、もういいか……随分長く入っているし、俺も湯あたりはいやだからな」
体が離れ、シャワーをとった少年は頭から一気に熱いお湯をかける。
ざばざばとシャンプーやボディーソープが流れ落ちていく。
なんとか安堵の息を思わず漏らした彼は、軽く頭を振ると目を開けた。
やはり、自分の中心はまだ解放を求めて存在を主張している。
頭から肩へとシャワーを動かし軽く手でこすった。泡立ててもいないボディーソープは少々粘りが強いため、シャワーだけで落ちにくいからだ。
その手に軽く皮膚を引きつらせるものの、脱力しているせいかぼーっと彼は動かない。もしかしたら湯当りでもおこしているのだろうかと思いつつ、彼は前へも手を伸ばす。
背中と同じように軽くこすりゆるゆると足の間へと手を差し込む。
彼のまだ落ち着かぬそこにも、触れた。
「ひゃっ」
さすがにそれには強い反応を示し、声をあげる。
「安心しろ、イかせてやるだけだから」
シャワーの水の量を多くし、ソコに触れながらかける。
「あ゛あああ!!」
強く上下にこすりあげ、搾りとるように強く握った。
シャワーの刺激と手の感触にあっさりと白い液体を放ち、それもまた湯に流される。
ぐったりと後ろに座る少年に背中を預け、彼はそのまま、目を閉じた。
遠くで「もしかして、寝たのか?」「ここで寝ると風邪ひくぜ」っという声を聞きながら、ゆるゆると彼は堕ちていく。
どくどくと背中に鼓動と体温、そして肌の感触を感じ、それに落ち着く自分に気づきながら。
激しい鬼畜が続いたので、今回はゆるやかな柔らかめのエロで(結局エロか!!) バクラ、後ろで感じるのを覚えてしまいました。脳は苦しみから逃げるために、痛みを遮断したり、苦しいを気持ちいいと摩り替えたりするらしいです。これもつり橋効果とかの一種……。怖いですね、慣れとか。
お風呂でエッチっていいですね。そして、髪洗ってあげたり、体洗ってあげたりって、萌えですよね!! 髪洗う描写をもっと濃くしたかったですが、他人の頭をあんまり洗ったことがなかったので、断念……。
しかし、他人に頭洗ってもらうのって妙に気持ちいいですよね。指の感触が落ち着くというか……。
王様はわかりませんが、宿主様は髪洗うのすごくうまそうです。洗ってる途中でバクラが思わず寝ちゃうくらい!
さあ、やっと次で3日目です。
やっと王様にさせてあげられますね!! え、なにをって!! そりゃもう、うふふ、あはは。
そして、バクラはどんどんほだされていきます。肌を合わせると情がわく。そして、濃密な時間に躾けられまくってます。