荒いと息をつきながら、彼は虚ろな瞳で足の間に顔を埋める。
中に入っているものが気持ち悪いのか、時折腰を揺らしながらも彼は取り掛かった。
たどたどしい震える指で何度も失敗しながらベルトを外し、前を外す。そして、下着から、すでに立ち上がったソレを取り出した。
一瞬、少年の身体に似合わない大きさと熱さに怯えたが、それでも指を伸ばし、熱さを手のひら全体で感じる。最初は躊躇うような動きだったが、すぐにそれも消え、どこか頼りないながらも慣れた手つきでこすりあげた。
まだ手の中で熱く、大きくなっていくのをただ揺れる瞳で見つめながら顔を寄せる。吐息を一度吐きかけ、一気に口に含んだ。激しく吸い上げながら喉の奥につきいれ、蒸せそうになりながら締め上げる。すぼめた唇でも微かに痛くない程度に歯をかすめ、刺激していく。
多少、顔に作られた痣が痛かったが、そんなことは構っていられない。
「っ」
思ったよりも大胆な動きに、少年は顔を歪めた。
手つきよりも派手に見せ付けるような動きで舌を動かし、確実に男として弱い場所を舐め上げた。時折、うかがっているのか、生理的な涙の滲んだ上目遣いに見つめてくる。睨むのとは違う、どこか演じているようにも見えた。
少年の顔がますます歪む。それは、快楽ではない。確かに、彼の舌使いも激しい唇や喉の締め付けもどれ一つとっても男を追い上げるものだ。
まるで、先ほどまでの処女のような反応と全てが違う。淫猥で淫靡な姿。
けれど、それがどうにも慣れすぎてしまっているのが少年には気にいらなかった。慣れているというのはつまり、こうすることを慣れるほどこなしたということ。自分の前に何人の男がいるかと思うと、どろりとした黒い塊が湧き上がる。
少年は思わず彼の白い頭を強く、数本ぶちぶちと引き抜きながら掴み自分のものから引き剥がした。
驚愕に目を見開く彼の瞳と、怒り狂った少年の瞳がかち合う。
カチッ
それは、小さな音。
少年の手の中で、スイッチが入っただけの音。
ただ、彼にとってはそれだけではない。
「ひぃいいい!!」
悲鳴をあげて、身を捩った。滲むだけだった涙がぼろぼろと一気に溢れその瞳に恐怖と嫌悪感が宿った。
「い、げ、ぐっ!! ゆっゆるし、いやぁ、ゆる、て、うあ、やめてくださっ!」
ぶるぶると震えながらがむしゃらに許しを乞うた。
何が少年の機嫌を損ねたかわからない彼はただ謝ることしかできない。プライドもなにもなく縋るような態度に、少年はスイッチを切ると同時に手を離した。
シーツの上でぐたりと力なく痙攣する姿を冷たく見下ろしながら、その耳元で囁いた。
「今までの客はそうしてれよかったけどな。俺は許さないぜ」
言うとおりに舐めろと、命令する。
それを怯えた目で見上げながら彼は動いた。スイッチをいれられては困るともう一度、少年のものへと顔を寄せる。
「舌を出してゆっくり舐めろ。下も、勿論、手も動かせ」
言われたとおり、そうっと、舌を出し舐める。ゆっくりと指示されたとおりに根元まで伝い、指もびくびくと伺うように動かした。
それを何度も繰り返し、少年の顔色を時折うかがう。
満足そうな顔に内心安堵の息を吐きながら続けた。
「先端を、そう、ゆっくり口に含め、ああ、喉まで入れなくていい」
「ん……」
根元から先端へと舌を上げ、口付ける。そこからゆるゆると口の中に含み舌の上に乗せた。
よけいなことをすれば逆鱗に触れそうで動けない。
「そのまま、絡めろ。吸って……手が止まってるぜ」
慌てて手を動す。舐めるのは彼にとってどちらかといえば得意だが、これも恐怖のせいで少々拙かった。
けれど、その拙さは少年の機嫌を直したようで、柔らかく頭を撫でられた。痛みとのギャップのせいか、妙にそれが気持ちよく感じ、彼は目を閉じる。
髪を梳かれるように何度も撫でられながら、口は止めない。
やわやわとゆるやかに快楽を与えながら、少しだけ、腰をもぞりと動かした。中の存在もあるが、萎えていたはずの中心に少しだけ熱が集まってしまったのだ。
「んふぅ……」
声にも、甘さが混じる。
それに気づいたのだろう、少年はますます嬉しそうに、機嫌よく笑った。
「いい子だ」
自分のものを含む頬を優しくさすり涙を拭った。痣を撫で、汗にまみれた前髪をかきわけてその額に口付ける。
そして、微かに頭を抑え、奥まで飲み込むように促す。
素直に従う彼は、喉の奥まで歯が当らないよう受け入れた。軽く舌を絡め、喉で締める。最初の激しいものとは違う、確かめるような動き。それを少年は許す。
「次は、裏側も……」
どこか甘ささえあった味に、苦味が混じるのを感じ、限界を彼は知る。
いつも疲れる行為だが、こんなに長く口に含んでいることなどなかったため、口の中で少し大きくなり、あごが疲れた。
ぼんやりとした、けれどもなんとか戻ってきた思考の中、このまま自分がどうなるか考える。
少年は本気だった。本気で、買ったと言った。そして、自分のものだと告げたのだ。
だから、彼も買われたのだと理解する。本当は冗談であればと、理解したくなかったのだが。
まさか、これが終れば帰してもらえるなどと、甘い考えは浮かばない。ならば、どうなる。最悪の答えが頭を過ぎった。
少年は「今日は終らせてやる」っと言ったのだ。
「何を考えている?」
妙に勘のいい少年の声に、ひくっと、彼は怯えた。なにもと言う様に目線をそらすと不機嫌そうに眉根が寄せられる。
本当は、少年の顔色などうかがいたくもない。今すぐ、口の中のモノを噛み千切ってやりたいとすら思うというのに。
ぬるりるぬりと唾液とそれ以外が混じる。早く終れと舌を動かしたかったが、やはり中で蠢くものが怖い。
「まあいい」
彼の髪に絡めていた指を、その頭に添える。
「!」
そして、一気に更に喉の奥へと突き入れた。
噛み付きそうになるのを抑えて吐き気を覚える。
その瞬間、どくりっと、熱い飛沫を吐き出された。
「――!?!?!?」
うまく飲めず咳き込みそうになりながら慌てて口を離そうと頭を引くが、押さえつけられた。
口の中から白い液体が溢れる。
「飲め」
鼻をふさがれ、息もできない。必死に飲みこむしか彼には残されていなかった。涙を零しながらごくり、ごくりと喉を動かし、なんとか息ができる状態に解放される。耳に特有の感覚を覚えながら酸欠にまとまりかけた思考が霧散した。
口から少年のものが引き抜かれ、彼は生臭いシーツの上に倒れ伏した。
ぜぃぜぃと何度も深呼吸し、ばくばくとうるさい鼓動に耳を傾ける。
「よくできました」
子どもを褒めるような口調と手が、彼に降り注ぐ。
(なんで、こんな、ひどい、やつなのに、手は優しいんだろう)
喉の奥が痛い、ついでに乾いた。中も外もベタベタする。熱を持った痣が痛い。アゴも痛い。だるい、眠い、疲れた。取り出されたのにまだなかに違和感がある。
おおよそ、普通に生活していく上であまり経験しないだろう思考に襲われながら彼はこのまま眠ってしまおうか考えていた。なにもかも忘れて寝て、起きたら夢であればいい。
そう、目を閉じて開けば、そこは兄の部屋で、「また僕の部屋で寝て」っという苦笑が見たい。なんでもない、穏やかな時間。口では嫌っていたものが、全て尊く美しく思えた。
「水、飲むか?」
いつの間にかどこかへ行き、戻ってきた少年が飲みかけのミネラルウォーターのペットボトルを突き出していた。
だるくて動かない体の変わりに微かに首を持ちあげ口を開くと、水が注がれる。しかし、意思疎通のできない他人が水を飲まそうとする行為は難しいのか、飲みきらないうちに更に水が注がれ苦しい。しかも、時折狭まる唇が口内にではなくアゴや首へとぱしゃぱしゃと水を弾いて流した。
何とか飲みきったときには、顔から下、胸から上は水でびしゃびしゃになってしまっている。それでも、よかった。熱い体が少し冷まされ、べたべたした体が多少流されたのだ。濡れた唇だけ舌で拭った。
それをじっと見下ろしていた少年は、流れた水をアゴの輪郭に沿って舐めあげる。
なにかされるかと警戒されたが、それだけで顔は離れて行き、安堵した。
「何か食うか?」
首を微かに横に振る。
なにか食べたい気分ではない。水はもう少し飲みたかったが、今は何より寝たい。
少年は、やはり優しい手つきでその髪を撫でた。瞼が重くなる。
「起きたら、何か口にしておけ。体が持たないぞ」
ひどく、嫌な予感のする言葉。
眠たげな瞳に恐怖が宿ったことに気づいたのだろう、少年は笑う。
「躾は、まだ終ってないぜ」
撫でる手だけは優しい少年はそう、うっとりと呟いた。
明日の予感におびえながら、彼はゆっくりと、眠りに堕ちていく。明日がこなければいいのに、そう、考えながら。
水を飲ませてあげるってシチュはエロいと思います(そんなことはない)
こう、飲みきれないとか、こぼれちゃってアゴとかに負けて濡れるとやばいと……! 濡れた唇!!(落ち着くんだ)
王様は、手だけは優しい。手だけ……でも、やってることは基本鬼畜です。鬼畜ダイスキ。
まだまだちゃんと続くので、ご安心を!!
さあ、次はバクラはどうなってしまうのか……なにをされるのか……。
とりあえず、次は首輪を……首輪を……(ぇ)
まあ、あれです。バクラは舐めるのは得意ですよ。そういう設定ですから!!(おいこら)
しかし、基本的にさっさとイかせるためだけの口使いなので、相手を気持ちよくさせるというよりは絞りだす感じで。エロいですね!(黙れ)
使って欲しい、道具、シチュなどありましたら拍手なんかで教えていただけるとやるかもしれまs(撲殺)