1、バクラが女の子で、宿主の双子の妹の天音です。
 2、Wばくと、W遊戯が幼馴染気味。
 3、王様とバクラは両思いだけど、中々くっつかない。
 4、王様は勿論凡骨ダイスキ。


















































 机の倒れる音、怒声と罵声。
 それを遠目にみながら、二人の少年は溜息をついた。

「また、喧嘩してるね」
「原因は?」
「勿論、アテムくん……」
「また?」
「うん、また。
 天音が素直じゃないのも悪いんだけど……けど、今回はちょっとアテムくん劣勢」
「なにしたの?」
「お弁当交換しちゃった」
「……まるごと?」
「まるごと」
「そりゃ、怒るよ。せっかく天音ちゃんが作ったのに」
「だよねー……問題はアテムくんがそのお弁当を特別じゃないと思ってることだよね」
「普通は気づくと思うんだけど……そりゃ、僕と獏良くんの作ってるけどさ……」
「知ってる? 天音わざわざアテムくんのお弁当だけ別に作るんだよ。自分と僕と遊戯くんの分は一緒くたに作るのに」
「知ってる。だって、見たら僕とオカズ違うし……アテムも早く気づいてくっついちゃえばいいのに」
「だよね、でも、アテムくんにお義兄さんって呼ばれるのは微妙かな……」
「それで、なんて言ったの?」
「ちょっと城ノ内くんにオカズ交換してくれって頼まれたんだけど……アテムくんてば、お弁当まるごとさしだして「こんな弁当でよければ!」とか嬉々として本人の前で言っちゃうから」
「こんなって……ねえ」
「天音のお弁当、おいしいのに」
「そうだよねー」

 がっしゃーんっとひどい音とともに少女は叫んだ。

「もういい!! もう王様ときく口なんてねえ!!」
「なにがだ!! それより城ノ内くんに謝れ!!」
「うるせえ!!」
「おっ……おい、アテムー……もう俺はいいから……」

 がんごんっと机同士がぶつかる音。
 少女は釣りあがった目をいっそう吊り上げ、相手を睨みつけると背を向ける。

「あっ……」
「バクラ!!」

 走り去っていく少女の顔は見えない。
 それを、相手は追いかけなかった。しばらく背中を見ていたものの、傍らの友人に謝り、動こうとしない。
 ただ、遠目に見ていた少年たちは顔を見合わせた。
 いつもならば、ここで少しはフォローするところなのだが。

「獏良くん、僕にお義兄さんって呼ばれたら嬉しい?」
「うーん、結構」
「じゃあ、僕が追いかけるよ」
「んー、どうしようかな。もう少し天音にはブラコンでもいてもらっても嬉しいんだけど」
「うーん、じゃあ、二人で行こうか」
「そうだね、天音、隠れるのうまいから……二人で手分けすれば早いよね」
「うん」



 二人は、目を合わせただけで、お互いの意図を悟る。



「とりあえず、今夜は僕と電話で長話しようか、遊戯くん」
「いいね、電話で謝ろうなんて思う人がいないくらい長話しよう……あっ今日は天音ちゃんゆっくり寝かしてあげてね」
「勿論、直接会いにくるような誰かさんがきたって追い返してあげたくなるくらいぐっすり眠ってもらうよ」
「フフフ」
「アハハ」



(さすがに、かわいい妹(分)を泣かされたらフォローしない)



 天音とアテムの仲直りの速さは宿主様と相棒様の協力具合に比例する……。
 最近、えらい人に逆らえないのは、なぜでしょうか。
 だっだって、えらいひとが!! 萌えるネタをくださるから!!
 とりあえず、お弁当を作る天音っていいですね。とってもいいですね。



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