「んー、ねえ、終くん、このカード、どう思う?」
じっと、カードとにらめっこしていた少年は、背にもたれかかる少年、終に声をかける。
終は、すぐさま手に持っていた雑誌を投げ捨てると、待ってましたとばかりに少年の肩にアゴを置き、手の中のカードを覗き込んだ。
しばらくカードの効果を見、頭の中でデッキとのバランスをめぐらせると、口を開く。
「遊戯のデッキにいれるには、ちっと重くないか?」
「うーん、そうだよね……」
少年、遊戯も、終の意見には賛成らしく、難しい顔をする。
しばらく、口元に手をあて、頭を捻った。
だが、どうしてもいれたいのか、足元に広げたデッキのカードに視線をおろす。
終も、つられてデッキを見下ろした。そこに広がるカードを見て、微かに、訝しげに目を細める。
そして、遊戯の細い肩に手を回し、ぽつりと呟いた。
「ん、いつもとちょっと違うな」
「わかる?」
「おう、遊戯にしては、ちーっと攻撃的な感じだぜ」
「うん、ちょっとね」
真剣な瞳で、カードを見つめる。
普段ならば優しく真面目な遊戯がちらっとも自分に視線を向けないことに、疑問が過ぎった。
微かに、つまらなそうに足をぱたっと動かしてみるが、遊戯は気づかない。
不機嫌そうに眉根を寄せるものの、あえて終は何も言わなかった。
無視されるのは嫌いだが、自分に気が回せないほど真剣な遊戯を邪魔するのは、少々わがままが過ぎる気がしたからだ。
(それに……真剣な遊戯ってかっこいいんだよな……)
胸の中で、ぽつっと呟く。
あどけない頬の丸い輪郭も、大きな瞳も、華奢な終よりも小ぶりな体のパーツも、どれ一つとってもどちらかというとかわいいという言葉が似合う。
しかし、カードに、あるいは人間に真剣に向き合う時の遊戯は、年齢も童顔も超越する強さと凛々しさがあった。
思わず見惚れて横顔を堪能していた終だったが、ふと、気づく。
「もしかして、王様と?」
「え?」
広げられた、いつもと違うカード。
あまりにも真剣な眼差し。
そして、自宅ではなく、終の家でデッキを調整する。
いくつかの要素が、終に理由を勘付かせた。
「王様と、デュエルすんのか、本気で」
やっと、視線が終に向く。
なんでばれたんだろう、そんな不思議そうな顔で、頷いた。
「ふーん、本気でデュエルなんて、何ヶ月ぶりだ?」
「いつもアテムとは、本気だよ?」
「違うだろ。王様に手の内を何一つ見せたくないんだろ?
そんなもん、いつものどっちが勝ってもいいってのとは気合の入れ方がちげえよ」
くっく、と笑う。
そして、肩から手を伸ばすと、すいっと、カードを抜き取った。
ひらっと、カードを見る。
カードに書かれた効果は、どちらかといえば終が好むタイプ。
「だけどよ。ちーっと、気張りすぎて迷走してるぜ」
「う……」
「リベンジされんのが嫌なのはわかるけど、これは遊戯のデッキじゃねえぜ」
「うう……」
図星なのだろう、困ったように目尻を下げる。
にやにや笑う終に、体を預けるように力を抜き、手に持っていたカードをデッキの上にばさっと落とす。
そして、ぐっと、腕を振り上げ背を伸ばした。
「わかる?」
「そりゃ、もう十何年も遊戯の事見てるからな」
腕を前に回し、抱きしめる。
すると、遊戯は照れたようにうつむいた。
背中と腹に伝わる体温は、少し遊戯の方が高い。
少し恥ずかしくて、でも心地よい感覚に、思わず目を閉じる。
「それにしても、どういう風の吹きまわしだ? 別に公式大会に出るわけでもねえのに」
頬と頬をすりあわせながら終が問う。
すると、目をうっすらと開けた遊戯は、小さく溜息。
「怒らないできいてね?」
「俺様が遊戯に怒ったことあったか?」
「う、うーん……」
否定も肯定もできず、遊戯は口ごもる。
「あのね、嵐くんの、おかげなんだよね」
ぴくっと、終の顔が歪む。
遊戯は一瞬、やっぱりという表情をしたが、言葉を続けた。
「嵐くんってさ、いつもカードに真剣で、勝つことにすごく貪欲で、まっすぐに楽しそうなんだよ。
それを見ていたら、なんだか、見てる方まで熱くなるんだ」
何かを、思い出させてくれるみたいで、すごくわくわくする。
ぎゅっと、遊戯は拳を握って胸に当てた。
いつかのあの日を思い出すように、強く、微かに震えながら。
「勝つことが全てじゃない、楽しいデュエルも、好きだよ。
でも、僕もまた、アテムと戦いたいって思ったんだ。勝ちたいって」
勝ちたい。
力が宿る瞳で、拳を見つめた。唇が、楽しそうに、少しだけつりあがり、同時に眉は少し不安げに下がっている。
それでも、強い。眩しいくらいに、強い。
終は、その表情を知っている。
あの日は、遠くで見た顔だ。
遊戯と彼が決別した、あの日の顔、今はとても近い。
だから、笑った。
自分に向けられた表情じゃなくても、嬉しそうに。
「でも」
しかし、遊戯の表情が曇った。
小さく、溜息。
「でも、いざ勝とうと思ったら、うまくいかないね」
広げられたカードたち。
今までどうやってデッキを組んでいたか、見失ってしまった。
勝ちたい、どうすれば勝てる。
そんなことばかりが先行してしまう。
「そんなの、簡単じゃねえか」
耳元で、終は囁いた。
当然とばかりに、口角を吊り上げる。
「肩の力抜いて、いつも通り組みゃいいんだよ。
自分を信じて、カードを信じて、それで組めば、王様なんざ簡単に蹴散らせる遊戯の最強のデッキだ」
遊戯も、笑う。
「そうだよね」
だけど、それが難しい。
そう続くような声音に、終は抱きしめる腕に力をこめた。
「んじゃ、とりあえず俺様と一緒に肩の力抜こうか?」
「へ、ひゃあ!?」
かぷっと、終はその柔らかそうな遊戯の耳の上部分に噛み付いた。
決して痛くない、挟むようなもの、しかし無防備だった遊戯の体がびくっと跳ねる。
「しゅ、しゅうくん!?」
顔を真っ赤にして慌てる遊戯に、終は笑いながら噛んだ場所をちろちろと舐める。
くすぐったさと湿った感触に遊戯は思わず身を捩るが、抱きついた腕が逃がさない。
上部分から、耳たぶの方へ唇が落ち、ちゅっと吸う。
「ま、待って」
肩をすくめたところで、長い舌がざらりと耳の裏側を下から上へと舐めあげた。
すると、ぞくぞくっと遊戯の背に痺れが走り、うなじに鳥肌がたった。
なんとかやめるよう訴えるが、終はますます楽しそうに耳を食んだり舐めたりを続ける。
「終くん、くすぐった……ん……」
ふうっと、耳に息を吹きかけられ、身震い。
そんな遊戯を見ながら、終は恍惚と言った表情で呟いた。
「遊戯の耳、柔らかくて気持ちいい」
それは、どこか獲物をいたぶる猫に似た表情だ。
耳の裏に鬱血の痕が残るほど吸ったかと思うと、包み込むように愛撫する。
うっとりした声音に長年の経験が、終に火がついていることを継げた。
「終く、おねが、いだからぁ……」
せめて、カードを片付けさせてほしい、そんな思いで口を開くが、終は止まらない。
「ん、ん、もうちょっと……」
「もうちょっとじゃなくて!!」
「ゆうぎぃ……」
とろんっと、甘く溶けたような声。
遊戯を腹の辺りで抱きしめていたはずの手が、するするとズボンに伸びていた。
手でなんとか止めようとするが、足の間付近をやわやわと撫でられると、そういうお年頃である遊戯は上手く逆らえない。
体のこと、特に快楽にかけて終はなぜか、遊戯の体を遊戯以上に熟知しているともいえた。
「しゅっしゅうくん!! 待って、待って!!」
耳から、遊戯のうなじへと舌がおり、はむっと甘噛みする。
それをなんとか止めようと遊戯は必死に思考を巡らせた。
このままでは、カードがぐしゃぐしゃになるだけではすまない。
見た目の通り、独占欲の強い終は、随分待たされてひどく貪欲になっていた。
もういいじゃないかという本能的な部分の誘惑を抑え、それこそ必死に。
(それに……このままじゃ……男としてもだめだ!!)
大概は、こういった行為では終が積極的であるが、あくまで遊戯は最後の尊厳は守りたかった。
デュエル以外ではほとんど使われない頭脳をフル回転させ、この場において最も終に響くだろう言葉をなんとか選択する。
「終くん!! キスしよう!!」
ぴたりと、終の手が止まる。
「キス、ほら、この体勢だとキスできないよ!!」
考えるような沈黙。
「僕、今すごく、終くんとキスしたいな!!」
言っていて恥ずかしいセリフだったが、これしかない。
そして、言葉はきちんと終に届いた。
首筋からなんとか顔がどき、手も解かれる。
安堵して、遊戯は素早くカードをまとめると机の上に避難させた。
「きす」
終が、後ろから服の裾をぐいぐい引っ張ってねだる。
それに遊戯は答えて、振り向いた。
恍惚とした青い瞳と合う。その瞳が、やんわりと閉じた。
赤く染まった頬も、甘えるような表情も、少し湿った唇も酷く色っぽく誘う。
遊戯は、ふらっと吸い寄せられるように唇を重ねた。
熱い唇を舐め、更に熱い口内へと舌を伸ばす。
微妙に塩味を感じて、どうしても照れてしまう。この味は、自分の味なのだ。
待ち構えていた終の舌は遊戯の舌を受け入れるともっと、っというように吸い付いてくる。
遊戯はその舌の動きに答えながら、終の髪に手を差し込んだ。
ふわりとした髪に指を絡め、落ち着かせるように背を撫でると、終は嬉しそうに体の力を抜く。
「ふぁ……」
舌の動きに集中するあまり、うまく呼吸ができず一度距離をとると、今度は終が息を吸った瞬間噛み付くように顔を突き出した。
遊戯が重ねたときよりも激しく蠢き、酸欠で頭がぼうっとする。
だが、お互いの体温が同じにまで高まり、溶けてしまったかのような感覚はひどく気持ちがいい。
そのまま、なんとなく唇が離れるごとに、交互にキスを重ねていく。
どちらからともなく床へと倒れ、やっと一息ついた。
目を閉じ、荒い呼吸を繰り返す。
お互いの鼓動と体がひどく近く、愛おしい。
「しゅ、う、くん」
ふと、遊戯は、目の前に終の耳があることに気がついた。
耳元で名を呼ぶと、終はぴくっと反応する。
「しゅうくん」
「は、ゆうぎ……」
更に近くで、囁く。
もじっと、焦れるような動き。
どくどくと、体の下で鼓動が早くなる。
そっと、遊戯はその白い耳を食んだ。
「ぁ、ん」
甘い声。
先ほどやられたように舌を動かすと、きゅっと、背中に回った腕に力がこもった。
それがたまらなくて、更に吸ったり、なぞったり、口に含んでは、跳ねる感触を口の中に感じる。
終の反応はくすぐったいに似ていたが、口から漏れる声には艶が混じり、ぞくぞくと遊戯の背筋をくすぐる。
軽く歯をあてて、今度は耳たぶから首、まだそれほど出ていない喉仏を舐めた。
呼吸するたび上下に動くそこを強く吸うと、少し苦しそうに咳き込む。
「あ、ごめん……」
「ん……ゆぎ、」
熱を帯びた目が、とろんっと遊戯を見つめ、すいっと、首をめぐらせる。
耳元にかかる息に、一瞬また舐められるかと遊戯は体を浮かすが、それより早く終が囁いた。
「ゆうぎ、しようぜ……」
脳にぐらりとくるような声。
遊戯は終の頬に、答えの代わりに唇を落とす。
終は笑うと、背に回した腕を少し緩めた。
体の間に隙間ができるのは嫌だったが、なんとか体勢を変える。
遊戯の手が、胸に触れた。服越しに、こりっと、突起が当る。
「は、ぅ……」
そのまま、突起を押しつぶすように指に力をこめると、切なげな声が漏れた。
体をずらし、指とは逆の突起を服越しに舐める。
ざりっと、布地がこすれる感触に、足がびくびくと震えた。
「ゆ、ぎぃ……ん、……」
舌の先端で転がされ、微かに掴んだ服をひっぱられるた。
うかがうように遊戯が視線を上げると、熱い息を吐きながら、背から自分の服の端へと手が伸びる。
「しゅうくん?」
「ふ、ふく、こすれると、いてえ、から」
そのまま、服をまくりあげ、決して柔らかくないが、白く滑らかな肌を遊戯の前に晒す。
濡れて小さく膨らんだ淡い色の突起が電気の明かりにつやりと輝いて見えた。
くらりと眩暈。
(きれいだな)
遊戯は、そっと、腹部に手を這わせた。
汗のせいか吸い付くような感触が指にきもちいい。
「ふぁ……はっ……は、ん……」
胸の突起に吸い付かれ、終はもどかしい痺れをどうにかしようと首を左右に振る。
白い肌を、そうっと指が撫でた。普段ならばあばらの辺りを撫でられればくすぐったいとしか思えないが、昂ぶった体には微弱な刺激となる。
まくりあげたまま固定している服を、震えるほど強く握り締めた。
「ゆう、ぎ、ゆぅ、ぎ……」
無意識にもがくうちに、足が動いた。
それが、硬い感触に当ると、止まる。
遊戯も、少し気まずいのか動きを止めた。
終はその表情を目を細めて見つめ、笑う。
「たってる、ぜ」
その言葉に、遊戯は妙にいたたまれなくなって俯いた。
生理的な反射であるが、それを知られるのはなぜか恥ずかしい。
特に、終に知られるとひどく情けない気持ちになってしまう。
「ん、おれさま、も、いいから」
手が、するっと、遊戯の足の間に伸びる。
指に硬い感触が触れ、ソレを揉むように指を動かした。
「しゅっ……」
慣れた手つきでズボンのチャックを一気に開け、手をすべり込ます。
下着越しに指が、それの形をなぞった。
「きつそうだな……」
愉しそうな声が脳に響く。
先端からくびれ、竿の部分を確かめるように指を這わした。
終が呟いたとおり、体に密着するタイプのズボンの中でソレの存在感は窮屈そうに見える。
巧みな指使いに翻弄され、遊戯は背を丸めた。
快楽の中でも、一瞬で形勢逆転された悔しさがこみ上げる。
「うっ、あ、しゅ、しゅうくん」
「ゆうぎ」
終が、体を起す。
すると、二人は向かい合う形となり、遊戯は終の肩に顔を埋めることになった。
「ゆーぎぃ、一緒にいこうぜ……」
その後頭部に、終は声をかけた。
手をすっと引くと、自分のズボンのベルトに手をかける。
ベルトを外し、ズボンの前を開く仕草で、終の意図に気づいた遊戯は、少し躊躇った。
だが、もたついているうちに終の手は遊戯のベルトに手を伸ばす。
「まっ待って、終くん、自分で外すから!!」
「まてねえ」
終は、熱に浮かされたような瞳で遊戯を見つめ、唇に噛み付く。
「じつは、おれさまがげんかい」
がんっと、頭にクるような切なげな声。
「ゆうぎがしたいなら、いいけどいよ……やっぱ、ん、ものたりねえから」
もう、余裕がないというようにそれだけ言うと終は乱暴にベルトを外し、下着をずらす。
それだけでそりかえったソレは自分を外に主張した。
そして、ぎゅうっと、片手で遊戯の体を抱きしめると自分のソレとまとめてこすり上げる。
ぬるりとした感触としごく手の速さが終の限界を克明に教える。
「ん、ふぅ……っ!」
だが、余裕がないのは気づけば遊戯も同じだった。
腰を揺らしながら、同時に手を動かす。
背筋にぞくぞくくるような快楽が脳へと届いた。
「あ、ひゃあ、ふゃ……っ」
「ん、くっ……」
お互いの息が近い。
終は声を殺すことなく、遊戯は微かに唇を噛みしめて漏らす。
それが、ぐちゃぐちゃと混ざり合い、卑猥だと思うと同時、そこまで思考が回らない。
夢中で手を動かしていくうちに、涙がじわりと目尻から零れた。
お互いに体を預けあい、呼吸を聞き合う。
「い、ぅあ、ああ……っ、ゆうぎ……」
「ひゃっ!?」
首筋に顔を埋めた終が、不意にその首に吸い付く。
ちくっとした痛みの後、遊戯の白い肌がうっすら色づき、鬱血の痕が残った。
それを涙で滲む視界で満足げに見ながら少しだけ手に力をこめる。
「ゆうぎ……ゆうぎ……!」
「しゅう、く、しゅう……!」
お互いの名前を呼びながら達し、しばらくじっと動けなかった。
脱力感と疲労感に肩で息をしながら、目を閉じる。
微かに落ち着き、呼吸が楽になった時、終は呟いた。
「肩の力、抜けたか?」
遊戯は苦笑する。
なんとなく、場違いな気がしたが、終の声の真剣さに頷いた。
「うん」
「今度、」
遊戯は、自分が信じて作り上げたデッキを前に、彼に告げる。
「今度、デュエルをしよう」
最も近く、最も知っている、そして、最も負けたくない相手。
彼は、急な宣言に驚いたように遊戯を見つめる。
いつもの軽いノリではなく、あくまで真剣。
あの時と同じ、全身全霊の全てをかけた勝負への誘い。
そこに、いつもの穏やかさはなかった。
「相棒……」
その瞳に満ちる決意を、彼はしっかり見つめた。
ざわざわと、心が騒ぐ。
あの日、目前で見た表情。
遊戯と彼が決別した決定的な日。
だから、彼は笑った。
自分に向けられた決して揺るがない強い眼差し、嬉しそうに。
「ああ」
ぶるりっと、震えた。
長い沈黙。
睨みあいに似た、しかし、どこか絆を感じさせる。
だが、その視線は、不意に彼によってそらされた。
あまりにも、唐突で、脈絡が無い。
雰囲気をぶち壊しにするようなその動きは、あまりにも彼に相応しくなかった。
心なしか、顔を赤くした彼は、酷く困った顔で虚空を見つめる。
「……?」
遊戯は首を傾げた。
どうしたのだろうとじっと見つめているうちに、彼が遊戯の首を指差した。
とんとんっと、その付け根、どちらかというと肩に近い位置を差す。
ますますわけがわからないという顔で遊戯は肩を見ようとする。
しかし、さすがに首元まで見えはしない。
少し考えて、窓に映る自分の姿を見た。
じっと、服をまくってみた自分のそこには、虫さされのような赤い痕。
(こんな季節に虫いたっけ……?)
そんなことを考えて、触れる。
痒みは無い。あったなら、朝の段階で気づいていただろう。
数秒考えて、原因に行き当たった遊戯は、彼以上に顔を赤くし、俯いた。
(終くん……!! こんな目立つ場所につけないでよぉ……!!)
だが、遊戯は気づかない。
俯いた耳の裏にも、しっかりと、赤い痕がついていることを。
彼はもうどこも見れず外を見つめた。
先ほどとは別の意味で震える遊戯を見ながら、彼は胸に、なんだか泣きそうな衝動がこみあげる。
(そうか……やっぱり、やっぱり、虫さされじゃないんだな……相棒……)
彼らが再戦を決めた日は、どこか哀愁が漂っていたという……。
微妙に長い遊バク。
ただひたすら、遊バクがいちゃいちゃすればいいのに!!
っを目標としました。
もういちゃいちゃ。
本番までいってしまおうかと思いましたが、それはもう少し焦らそうとただぐちゃぐちゃで。
そして、今回は、ちょっと余裕を削ってみました。二人とも若いから!!
耳責めとちくb責めとか、遊戯に痕をつけれて楽しかったです。
王様がかわいそうなのは、このシリーズのデフォなので仕方ないですね。
はははは。
欠点としては、管理人がカードのことをまったく知らないことです。