さらりっと、王は愛しげに盗賊の太ももを撫でた。
無駄なく引き締まったその足は、身長に比例してすらりと長い。そしてその割りに細かった。
今は汗をかきしっとりしているが、さらさらとした肌触りや舐め心地、敏感さを王は気に入っている。
「やめ、ぇろ……へんたい……」
すっかり火のついてしまった体では軽い撫ですら感じてしまい、それを誤魔化すように罵った。力の入らない声では情けないようにしか聞こえないが、盗賊のプライドが言わずにはいられない。
案の定、王はそんな声を笑うと撫でる代わりに頬をこすりつける。
くすぐったいはずの髪にさえ反応し、盗賊は思わず顔を背けた。
本当は睨みたかったが、現在の顔で睨んでも逆効果というのをやっと学んだ盗賊はただ耐えるように目を閉じる。
その様が妙にしおらしく、艶っぽく見え、王の加虐心をくすぐると知るのは学習不足だった。
執拗に中心に触れず、その太ももを指でなぞり、舌を這わせる。
覚えのある感覚に身を硬くし、不安に目を見開いた。
「ちっ……! ちょっと待て!! まっまた足舐めんじゃねえ!!」
ほとんど異常と言ってまで盗賊の足を気に入っている王は、以前にも盗賊の足を嘗め回すという前科がある。
それを思えば盗賊の懸念も当然である。むしろ、こうやって盗賊が慌てて言わなければ再現されていた確率はかなり高い。
思わずばたばたと足を逃がそうと暴れる盗賊に、王は一度足から口を離し、声を漏らして笑った。
「感じるからか?」
「ちげえ!! 気持ちわりいんだよ!!」
「そんなこと言っても、こっちはさっきより苦しそうだぜ?」
軽く盗賊の自身を指で弾いた。
それだけで一瞬、盗賊は達しかけ、体と意識を揺るがす。
かなり前から限界は近づいてきていたのだが、王の突然の行動にタイミングを失ってしまっていたのだ。
「やっ!」
その根元を強く握り、達するのを防ぐと王は、ならっと意地悪げに呟いた。
「このまま足を好きにしても、イったりしないよな」
「はぁぁ……て、ぇ、めええ……いてえ、握んなああ!!」
だが、当然のごとく盗賊の言葉は無視され、王は片手で握ったまま、足の付け根と膝を何度も往復して愛撫する。
痛みともどかしさが腹部に走り、気持ち悪い。それでも快楽を追いかけて小さく震えた。
それに対し、さすがに我慢できなかった盗賊の少々力の入った拳が不意打ち気味に王の頭に当る。
ないし、、盗賊は心の中でガッツポーズした。今まで抵抗しても力の入らないものか、あるいは避けられるばかりだったからだ。
頭を抑えて睨みつけるが、盗賊は自業自得だと笑った。
しかし、その笑顔もすぐ引きつることになる。
なぜなら、王が手を離したまではよかった体のわりに凶悪なソレを取り出したからだ。
体が強張るどころでなく、頭が冷えた。
前戯を好む王は、今までかなり前後不覚になるか、十分にほぐした状態でなければ盗賊に自分を埋めこんだことはない。けれど、今日はほとんどほぐされても、盗賊の体は流されてもいない。
ぞわぞわと貫かれる痛みを思い出した体が引きつる。
待ったとでもいうように手を突き出すが、王はいっそ極上の笑顔で盗賊の足を無理矢理こじ開けた。
限界に近かったはずのそこも、多少萎えてしまっているのを見下ろしながら、しかし、思ってもみない行動に王は出た。
盗賊のソレに自分のソレをこすりつけ、手で扱いだしたのだ。
てっきり入れられると思っていた盗賊は首を傾げ、手とは違う感触に戸惑った。
王のソレと自分のソレがしっかりと見える光景はあまり気持ちのいいものではなかったが、萎えたそこをまた限界へ近づけるには十分である。
恐怖はすぐに拭い去られ、甘い声を思わず漏らしたとき、王は手を離し、代わりに盗賊の足に自分のソレを挟んだ。
手よりも微妙に密着しあうソレと、太ももにぬるりとした硬さを感じる。
「な、にしやがる………?」
「素股」
あっさりと告げると、王は腰を動かした。
すべすべとした盗賊の太ももと、ぬるぬるしたソレがこすれあい、卑猥な水音を立てる。
「ん……!」
快楽は強く、痛みは無かった。
けれど、その強さは手や舌よりも上であったが、中をかき混ぜられる刺激よりも弱く違う。
衝撃で飛びきれないまま見下した先には、王のソレが出し入れされている。
挿れられていないのに、挿れられているような複雑な気持ち。
ぐりぐりと裏側を強くこすられ、快楽はある。けれど、それは何かが物足りない。
声をあげながら、盗賊はその思考を振り切った。
それでは、まるで挿れられることを望んでいるようではないかと、自分を叱りつける。
思わず、目をそらした先の王の顔は、楽しそうな、同時にしっかりと感じている顔をしていた。
「こ、っこんなんが気持ちいいって、やっぱ、あんた、へん……たい」
「お前も、十分いいみたいだぜ?」
揺れる足首を軽く噛まれ、体が跳ねる。
絶頂が近いのか、足に力が入った。王の腰の動きが激しくなり、二人の中心から溢れる液体がぐちゃぐちゃと音をたてて混ざっていく。
それから盗賊が果てたるのにそう時間はかからなかった。
「ひゃっあ!」
ぼたぼたと自分の腹が汚れる。
それでも、刺激は止まらない。
なのに、足りない。なにかが、欠落している気分だった。
濡れた瞳が、無意識に王をうかがうように動く。
相変わらず足の感触がいたくお気に入りなのか、王は足を舐めたり、噛んだり時折刺激を与えた。
だが、違うと、求めている快楽ではないと盗賊の瞳が語っていた。
「ほしいと、声に出さないとわからないぞ」
「な……!」
かあっと、頭に血が上った。
なにが欲しいと言うのだと問い詰めたくなる。
しかし、それを問い詰めれば自分にとってとてつもない嫌な予感を感じ、盗賊は黙った。
絶対に、絶対に言うものかと口を閉じる。
このまま素股で終れば、中に出される心配も、ふらつく足で帰る必要も無い。それがいい。いいことだと盗賊は心の中で何度も呟いた。
それなのに、王は、そっと後ろの入口を指で撫でた。
ぞくっと首筋に期待にも似た何かが走った。いや、期待ではないとすぐに盗賊が否定する何か。
「伝って、ここまでぬるぬるだな」
入口が強く指で撫でられる。
だが、それだけだった。
それ以上の刺激はやってこない。それでも、重ねられた盗賊のソレが少し大きくなったのを王は見逃さない。
「ぁっ……」
指が遠ざかり、足を揉む。
無意識に呟かれた声が空しく響いた。
なんて声を出したのか。盗賊は今日何度目かわからない罵声を自分に浴びせる。
王はにやにやしながら、どうしたと聞いてきた。
うるさい、黙れと叫べば、やわやわと足の付け根の外側を撫でられる。
「今日は、挿れないでやってもいいぜ?」
嬉しいだろ?
盗賊の心まで見透かしたかのような声。
精一杯の笑みを浮かべてやれば、王は腰の動きを激しくした。
そちらも限界が近いのだろう、足の間ではっきりと形のわかるソレが大きくなった。
そこで、はたっと気づく。
この勢いだと、上半身全体にかけられてしまうのではないだろうか。
一言で言えば、それは正解だった。
ただし、上半身を汚すのは王のものだけではなかった。
王は足の付け根を撫でていた指をそのまま入口までなぞると、一本だけいれた。
「ふ、やぁ、ああ!」
求めていた感触に思わず収縮する。
きつく締め付けながら、指の形を感じた。
それが前に連動し、盗賊を追い詰める。
先ほどとは明らかに質の違う声を出しながら、盗賊はやばいという言葉を過ぎらせた。
指が2本に増え、もっとも中で敏感な部分を突き上げられた。
「いっ! いっぅぅうう!!」
前と後ろの強い感覚に、まず先に盗賊が果て、ついで王が吐き出した。
その白は腹と胸、そして微かに盗賊の頬を汚す。
ぽーっと、恍惚状態に浸る盗賊の髪に口付けて、王は不穏なことを呟いた。
「このままだと、後ろをいじらないとイけない体になるかもな」
恍惚も吹き飛ぶほど、盗賊は思わずぞっとした。
どんどん開発&調教されちゃってる盗賊……。
そのうち、王様じゃないとダメな体にされてしまいますよ!!(おいおい)
とりあえず、素股が出来て嬉しかったです(正直すぎ!)
ちなみに、王様は変態です。管理人も変態です(知ってる!)
王様的に足はバクラの気に入ってるところベスト3に入ります。すべすべでよい細さが。
本当の筋肉って柔らかいそうです! だからどうしたというツッコミはなしで!!
でも、本当はもっとぬるぬるしてないと素股はいけないんですが……まあ、そこはご愛嬌で!!