戻らない時に気づいた


 8回もお前のいないクリスマスを過ごしたら、クリスマスなんか忘れてしまった。
 でも、あいつは覚えてて、置き去りにしちまった。

(おいてけぼりにしちゃった)

 8年ぶりに目を覚ましたら色々なことが変わっていた。
 俺はその変化についていけず戸惑ったが、その中で一番ついていけなかったのは、コレだ。

「よう、御曹司久しぶり、突然だけど認知しろ」
「こいつはマーモン、でも本名はバイパーな。俺とお前のガキ」
「何覚えがねー顔してんだ。8年前のあの日ヤっただろおがあ」
「つーか、顔は似てねえけど、髪の色とか目の色とか炎とか言い逃れできねえから」
「別に責任とれとか結婚しろとかじゃねえから、安心しろお」

(にょすく+マモが子どもパラレル。ありえん)

 時々思うのは、俺がこの髪をぶったぎるべきだったのかもしれないと。
 そうして、おきたあいつのその手無理やり引っ張ってでも過去なんか全部捨てさせてやることだったかもしれない。
 だって、しゃーねーだろ。
 てめえが俺との約束だとか誓いだとか、そんなものに縛られてくれるなんて思わなかったんだからよ。

(どうしようか)

 残念ながらスペルビという少年は死んでしまいました。
 どうぞ、スクアーロという青年をお受け取りください。
 なぜ、そんな顔をするのですか?
 貴方が殺したのに。



 スペルビという少年は8年後に死んでしまいました。
 貴方は死んだと思っていたようですが、スペルビ少年はちゃんと待っていたのに。
 貴方が殺しました。

(あーあ、どうしようもない)

 触れることしかできなかった。
 触れることでしか理解できなかった。
 ずっとここにいたのに。
 触れずにいたら、忘れてしまっていた。

(思い出せ)

 笑って泣いて楽しめばいい。
 怒り以外は何もかも。
 彼の変わりにめぐらせばいい。
 怒りはいらないよ。
 どうせ彼のことだ、8年分の怒りくらい一瞬だろう。

(待ち続ける間に)

 僕らは遠い遠い昔、大事なものをおいてきてしまった。
 一番幸せだった頃に、おいてきてしまった。
 でも、それでいいと思う。
 だって、今大事なものをうしなったら、僕らは壊れてしまうから。

(脆く儚く美しい子どもたち)

「御曹司、」

 いつからだろうか。
 二人だけの計画は、一人ぼっちの戦争になってしまった。

「なんで逃げたんだあ」

(過去が罵った)







形容し難い
 白雪姫の死だって、茨姫の眠りだって、吹き飛ばすような。
 100年の恋にも落ちてしまいそうな。
 一切合財の全てを押し流してしまうような。

 そんな運命に出会いました。

(もう、それしか見えない)

「今のうちに泣いておけ」

 涙はここにおいてゆけ。
 この先血反吐と悲鳴と死だけの地獄。

(さあ、戦場へ)

Q「スクアーロを迎えに行くのに何人のヴァリアー幹部が必要か」

A「5人。
 ベルとマーモンが迎えにいって
 心配だからルッスーリアもついていって
 それを見ていたザンザスが立ち上がり
 レヴィがそれを追いかけるから」

(ヴァリアージョーク)

 刹那の恋人同士か
 それとも、一生の主従か
 選べと言われて迷いなく、俺は後者をとったのだ。

(臆病と罵られても、いい)

 この世で貴方以上に愛しい人はいないわ。
 でも、この世に貴方以上に憎たらしい人もいないの。

(だいすき/だいきらい)

「おかしいのはわかってんだけどよお。
 どんな美女に誘われるより、あいつの命令一つの方が熱くなれんだよなあ」

(変じゃない?)

「ごめんなさい、知らなかったんです。知らなかったんです、俺が、俺たちが幸せになっちゃいけないなんて、知らなかったんです。許してください。どうか、どうか、俺はいいですから、彼だけは幸せにしてください。
 そのためなら、なんだってします。なんでもします。俺がどうなろうと、俺がどう奪われようと、壊されようと殺されようとどうでもいいんです。
 ただ一人、彼を幸せにするためならば、どうでも。
 俺は、それだけを思ってずっと、ずっとここまできたんです。
 手遅れなんて言わないでください。ああ、幸せにしてあげたかった」



 幸せになりたい、幸せにしたい。
 でも、気づけけない。
 お前のいない幸せなんて、何一つ、幸せじゃないんだ。

(なんだろこれ)

「さようなら、もう二度と俺たちは会わない方がいい。会ってしまえばまた殺し合いしかできないから。
 俺たちはわかりあうことが不可能なんです。どこまでいっても平行線だから。だから、俺たちは対立し、殺しあうことしかできない。それでしか、相手を受容できないんだ。
 それがもしかしたらボンゴレの血なのかもしれない。
 でも、俺はもう、殺しあいなんて嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。最悪だ。殺しあうくらいなら舌を噛んで死にたい。でも、俺はまだ死ぬ訳にはいかない。
 だから、あなたはどうか、俺のいないところにいてください。世界の裏側とかでいいから。
 そう、あなたの隣にいる人を大事にして、どうか幸せに」



 ツナはそう言って、黒くて瞳の赤い子供を逃がしてあげました。
 どうか、銀色の彼と幸せに、どこまでも逃げ続けておくれ。

(リング戦終了後の考え方)

「XUNXAS……根性が曲がっていてよ」
 メゴシャア



 〜剣帝様が見てる〜

(当時の意味のわからない衝動)

「ドカス、なんで名前が二つありやがるてめえもあの野郎もBELOVEDなのか!!
 名前は唯一無二じゃねえのか!?」
「だって、スクアーロは偽者だからな」
「うるせ、てめえなんざに聞いてねえんだよ!!
 黙ってろ!!」
「てめえが――XANXUSが決めてくれれば、
 XANXUSが認めてくれれば、XANXUSが許してくれたら、XANXUSが求めてくれたら、俺はXANXUSのものになれる」
「やだやだ、また名前連呼しやがって」
「……BELOVEが、奴の名前で、奴の力になるなら」

(ラブレスパロが好きだったので、衝動的に……)

「管理人は猫の日を忘れていてご立腹らしいよ、スペルビ、シャマル」
「へー……」
「う゛お゛ぉい、なんで管理人の不機嫌をこんな形で押し付けてるんだあ、これなんだこれ」
「猫耳だよ?」
「……ドカス」
「そんなもん見りゃわかる!! 俺が問題としてんのはなあ!!」
「ふむ、問題としてるのは?」
「なんでシャマルとXANXUSに猫耳なんだよ!!」
「スペルビ、猫耳したかったのかい?」
「したくねえ!! したくねえけど、普通見たくねえだろお!!」
「………似合ってるようだが? 特にクソガキなんてそこら辺で猫耳つけられてるだろ? このサイトにもあるしね。
 むしろ、ジャンプ本誌のとある一コマでクソガキに猫耳がはえてるように見える場所を管理人が発見してるんだよ」
「うお!? シャマルとXANXUSのヘコみがハンパじゃなくなってる!?」
「とりあえず、猫の日一日過ぎ、おめでとう」

(ねこのひ逃したー)






猫とスクアーロ。すきなの
 その銀の双眸を閉じた男の傍らで、猫が小さく高く鳴いた。
 鳴き声は男を起こすものではない。
 ただ、その扉を開けてやってきた相手に対する挨拶、あるいは確認のようなものだった。
 相手は慣れたもので、足音一つ、衣擦れ一つ音を出すことなく男に近づき、その背に薄手の毛布をかける。
 そして、誘うように猫へと手を伸ばした。
 しかし、相手の予想を反して猫は男の長い髪に擦り寄って動こうとはしない。
 相手は小さく声をかけてみるが、猫はやはり動かなかった。

「あなたも、その子がすきなのね」

 相手はやれやれと肩をすくめて苦笑した。
 そのうち、騒がしい子猫が二匹ここにくるから、それまでごゆっくり。
 そう告げて去っていく。
 猫は、返事でもするかのように高く小さく鳴いた。

(皆ダイスキ)






凪とスクアーロ。そのすれ違う距離感
 これ以上私に優しくしないで。
 勘違いするから。
 だって、私は貴方の妹ではなく女なのだから。

(私をみてよ)






ツナとスクアーロ。卑怯な物言い
「俺を好きになってください。
 ザンザスさんよりも誰よりも、俺を好きになってください。
 それが、ドン・ボンゴレになった俺の貴方への初めての命令だって言ったら、卑怯ですか?」

(心臓を撃ち抜くかもしれない)






マーモンとスクアーロ。赤ん坊は
「スクアーロ、ねえ、スクアーロ」

 赤ん坊がその銀の髪にすがりつく。
 ぎゅうと、逃さないようにその小さな手を握ると、悲しそうに呟いた。

「もうどこにもいかないで、僕は君との別離を繰り返すのだけは嫌だから」

(やだよ、いやだよ)






ディーノとスクアーロ。学生時代の未練
 スクアーロにはああ見えてたくさん友達がいた。
 人を寄せ付けないようで、惹きつけるスクアーロの隣には必ず誰かいる。
 でも、スクアーロの友達には、スクアーロしかいなかった。
 そんな奴ばっかり集まってた。
 そして、俺もそんな一人だった。
 きっと、皆その頃、世界の中心はスクアーロだったような気がする。
 だから、俺はまだあいつを忘れられないでいるんだ。

(スクアーロは、友達がたくさんいそうだなっと)




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