始まりの終わり



 ズキズキズキズキズキズキズキ
 頭痛がとまらない。
 ズキズキズキズキズキズキズキ
 眩暈が終わらない。
 ズキズキズキズキズキズキズキ
 記憶が消えない。
 ズキズキズキズキズキズキズキ
 感触がなくならない。
 ズキズキズキズキズキズキズキ
 赤がとれない。
 
「大丈夫、XXXXくん」

 XXXX?

「ん、ボクわかるかな。ああ、起き上がっちゃだめだめ。もうすぐお迎えの子がくるらしいから寝ててもいいよ?」

 XXXXって、誰だ。こいつ、誰だ。

「なにも気にしなくてもいいよ、ただの記憶の混濁だから……ちゃんと仕事してくれたからね。うん、覚えてないの……まあ、覚えてない方がいいかもね」

 よぎる赤。
 肉を裂く感触。
 構えた刃の先、黒い背中。見慣れた背中。馴染んだ刃が、その背中を切りつける。
 なぜ?
 振り返る、赤が振返って、自分を見る。赤と目が、あった。
 それなのに、自分は。
 自分は?
 次に目に映ったのは、白。
 手を差し伸べる白に向かって、自分は、いく。
 赤を置いて。



「一応、聞いとくよ。どう? 今までボスって呼んでた人を切りつけた感想?」



 ズキズキズキズキズキズキズキ





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